コロナ禍におけるリモート時代のオンデマンド採用活動

今日は、withコロナ時代の採用活動の変化について考えていきます。

リクルートが、2021年卒予定の大学生・大学院生に向けて行った「ワークス大卒求人倍率調査」によりますと、2021年卒生の有効求人倍率は、2020年6月の時点で1.53倍、前年の1.83倍よりも0.52ポイントのダウン。

やはりコロナ時代になっても企業の人材不足には、今のところあまり影響がないようですね。

バブル崩壊やリーマンショックの時ほどのダメージは受けていませんが、求人数が就職希望者数を上回っているのは人手不足が続く建設業や流通業に限られていて、学生から人気の高い「金融業」や「サービス・情報業」でみると、前年よりも求人数を絞ってきているので、学生にとっては厳しい状況になっていますね。

企業のリクルート状況も、まずは人気業界か、そうでないか。
そして、会社として魅力があるのか、ないのかということには変わりないようですね。

大学新卒者(2021年卒生)の求人倍率/2020年6月

求人数 求職者数 求人倍率
建設業 92,500人 15,400人 6.01倍
製造業 233,900人 146,200人 1.60倍
流通業 273,800人 37,600人 7.28倍
金融業 9,700人 34,300人 0.28倍
サービス・情報業 73,100人 213,600人 0.34倍

※ワークス大卒求人倍率調査(リクルート)

コロナの影響でオンライン面接が活用されているのも特徴で、リクルートの調査では、オンライン面接のコロナ前の導入率が5.6%だったのに対して、コロナ後は56.8%の企業が採用しているそうです。

これからは、中小企業でもオンライン面接をうまく活用することが、良い人材を発掘、採用する上での、とても大切な事になりますね。
そして、このトレンドはコロナが収束した後も定着するでしょうね。

オンライン面接の実施動向(国内)

  • コロナ前のオンライン面接実施率…… 5.6%
  • コロナ後のオンライン面接実施率……56.8%

従業員規模別の実施率

    • 300人以上の会社………… 30.7%
    • 300~999人の会社 ……… 62.2%
    • 1000~4999人の会社………81.9%
    • 5000人以上の会社…………88.2%

※ワークス大卒求人倍率調査(リクルート)

採用プロセスをオンデマンド面接で効率化することで採用担当者の負担を減らしながら、できるだけ多くの応募者に対して面接を行うには、専門性のあるシステムが必要になってきますね。

現在、多数のHRテック企業がオンライン面接プラットフォームの開発を手掛けているようですが、業界や職種によっても人材採用のスタイルには違いがあるため、それぞれに差別化できる道がありそうですね。

アメリカでは、求人企業がオンデマンド面接を導入する利点は、24時間対応で大量の人材を面接できることで、人材採用のプロセスを短時間で効率化したい企業には適していると考えられています。

テキサス州ダラスが本社で、自動車ローンを主体とした個人向け金融サービスで成長している「Santander Consumer USA」では、新規採用者の離職率が高いという悩みを抱えていますが、オンデマンドのプラットフォームを活用して面接を実施することで、人材1人あたりの採用にかかる時間を大幅に軽減することに成功しています。

Santander Consumer USA

ここにシステムを提供しているのが、米イリノイ州シカゴを拠点にする「Interview Stream」です。

2004年の創業時からオンライン面接の機能開発に取り組んでいる会社で、現在はスタートアップ企業から大企業、大学などの団体に導入されているそうです。

Interview Streamでは、1対1の個別面接から、最大20名までのグループ面接に対応していますが、採用企業が事前に設定した質問項目に対して、求職者がビデオ画面で回答した内容を録画する「オンデマンド面接」の機能を充実させていることが最大の特徴です。

応募者は、求人企業から面接の招待メールを受信した後、指定の期限内に専用サイトにアクセスし画面上にテキスト、音声、映像のいずれかで表示される質問項目に回答する形で、ビデオ面接の収録をおこないます。
記録された映像は、社内の採用チームや経営幹部と共有しながら人材選考が行われるという仕組みです。

Interview Stream

日本では、Zoomなどを使ったリアルなオンタイムの面接が主流だと思いますが、たしかに面接の録画を利用して一次面接が可能であれば、より多くの候補者に面接をすることが可能ですね。

日本的にいえばオンデマンドだと表情が分からないとか、雰囲気がつかめないといった声もまだまだ企業側から聞こえてきますが、プラットフォーム企業、採用する企業双方にとって大きなビジネスの転換点になることは間違いありませんね。

あなたの会社ではリモート面接してますか?

(参照:JNEWS.COM)

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