リーマン・ショックを凌ぐ経済への影響とは?

中国の武漢から始まった新型コロナウイルスの影響は、新しいB.CとA.Cの時代を作り出してしまいました。

暦ではB.Cは紀元前(before Christ)という意味で、キリスト生誕の前ということを示し、またA.Dとは「アンノドミニ (Anno Domini)」の略であり、「主(イエス・キリスト)の年に」という意味で西暦紀元、キリスト紀元を示しています。

これが2020年の新型コロナウイルスの影響でB.C(ビフォーコロナ)とA.C(アフターコロナ)の時代になってしまいました。

マスコミの報道などでは「今回の影響はリーマン・ショック以上である!」などとコメンテーターが話をしているのをよく見かけると思います。

このリーマン・ショック以上という意味をランチェスター戦略的に考えてみましょう!

リーマン・ショックでは国内外の多くの会社が倒産する影響が出ましたが、それはいったいどれくらいの規模だったのでしょうか?

2009年(平成21年)[1-12月] 全国企業倒産状況(参考;TSR)
倒産件数 15,480件
負債総額 6,930,074百万円
前年比(件数) -1.0%(15,646件)
前年比(負債) -43.6%(12,291,953百万円)

さらに同じTSRの資料で2019年度を確認してみると以下の通りです。

2019年(1‐12月)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は件数が8,383件(前年比1.7%増)負債総額は1兆4,232億3,800万円(同4.1%減)だった。
倒産件数はリーマン・ショック時の2008年(1万5,646件、前年比11.0%増)以来11年ぶりに前年を上回った。ただし、1990年以降の30年間で1990年(6,468件)2018年(8,235件)に次ぎ3番目に少ない水準。
負債総額は、前年比4.1%減で、2018年(負債1兆4,854億6,900万円)を下回り、過去30年間で最少を記録。
負債10億円以上が185件(前年198件)と2年連続で200件を割り込んだため。
負債は過去最悪の2000年(23兆8,850億3,500万円)の5.9%、リーマン・ショック時の2008年(12兆2,919億5,300万円)と比較しても11.5%と、約1割の水準。
負債額最大は、MT映像ディスプレイ(大阪府)の1,033億2,600万円だった。(参照:TSR)

リーマン・ショックを上回るということは倒産件数で約2万社。
廃業でいえば7万社くらいを考えておくべきなのか?

排他的な日本の職場でもテレワークが一般的になってきましたけど、ここでテレワークについてもう一度確認しておきましょう。

テレワークとは、「tel work」ではなく「teleworking」のことです。

「tele‐」は、「遠い」の意味です。telephone.と同じ語源です。
「phone」とは連結系で「音 (sound)」の意味なので、telephoneとは遠い音って意味なんです。

だから「teleworking」の本来の英語の意味でのテレワークは、情報通信技術を使ってオフィス勤務と違って時間・場所に関係なくオフィス以外の場所で仕事をする就労スタイルです。

テレワークは会社のオフィスで働くことをメインとしながらもオフィス以外の場所からも働くことがある場合に使われます。

コロナウィルスが猛威を振るうとテレワークからリモートワークになっちゃいます。

リモートワーク(Remotewok)とはオフィス以外で働くことがメインで、完全にオフィス以外の場所から働く時に利用されます。

それ以外にも勤務形態と意味合いでは、ワークフロムホーム(Work from Home)というのがよく使われます。
これはオフィスメインではなく、家で働くことが初めからメインの働き方です。

スケジューラなどの入力にWFHと表現されます。

別に日本語で「在宅勤務」でよいのでは?って感じですけどね(笑)

実際に企業の規模別にテレワークの導入状況を見てみましょう!

緊急事態宣言後のテレワーク導入率(正社員)

(従業員数)

  • 10~100人未満……… 16.6%
  • 100~1000人未満……… 25.5%
  • 1000~10000人未満……… 38.7%
  • 10000人以上……… 43.3%

テレワークができない理由

  • テレワークで行える業務ではない……… 47.3%
  • テレワーク制度が整備されていない……… 38.9%
  • ICT環境が整備されていない……… 19.9%
  • テレワークでは業務に支障が出る……… 15.3%
  • テレワークを行う場所がない……… 12.8%
    (参照:JNEWS)

ここでよく考えなければいけないのが、テレワークで行える業務ではない47.3%と、テレワークでは業務に支障が出る15.3%の部分です。

この二つを合わせると62.6%になります。

ホリエモンが「スマホだけあれば仕事ができる!」と豪語しておりますが、それは会社で「戦略を担う部門の人」だけなんです!!

つまり「戦術に取り組んでいる」部門では、テレワークは導入することができません。

アンケートの結果だけもみても約6割が「テレワークでは仕事が完結しない!」ということが出ているわけです。

そして中小企業が売り上げをあげているのは多くの場合「戦術的な仕事」それはアナログで直接的な仕事である故に、テレワークの導入は困難な状況にあるということです。

このことを考えないで在宅勤務といくら政府が言ったところで、まったく実現不可能であるということです。

前回のメルマガでもお話ししましたが、いつワクチンができて、量産化した上でいつ市場に出回るかの予測なくして、経済の対応ははっきりいって不可能です。

中小企業は持っているキャッシュは通常2~3ヶ月がいいところです。

つまりちょうど半期にあたる9月くらいからリーマン・ショック上回る倒産時代に突入する可能性が大きいので、少なくとも6月末~7月くらいまでには、企業にキャッシュを供給しないと地獄絵図になるということです。

この新型コロナウイルスの影響を、どう経営戦略に結び付けるのかが社長の手腕にかかっているという側面も否めません。

生き延びることだけを考えるのではなく、こんな時だからこそ「成長戦略」をランチェスターで考えてみませんか?

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