起業したい人!
その起業、ちょっと待ってください!!!
起業したてで日々経営課題に悩んでいる人も、よく聞いてください。
あなたは起業する前に「経営」の勉強をしたことがありますか?
私自身、30代で子供が生まれたばかりの時に、独立をしました。
手元資金も乏しくて、当時200円の地下鉄代すら払えない状況の独立でした。
私が独立して苦労した時に転機となったのが、今でも師として仰ぐランチェスター戦略コンサルタントの大御所、竹田陽一先生(ランチェスター経営株式会社 福岡市)との出会いでした。
事業がうまくいかず自殺すら考える毎日で、藁にもすがる気持ちで会いに行ったのが、竹田陽一先生でした。
お会いした竹田陽一先生は、開口一番、
「あんたは経営を学んだことはあるのか?」
と、質問をされました。
先生は、こうもおっしゃいました。
「経営の原理原則も勉強せずに、うまくいくわけがなかろう!」
と。
私は日本の大学を卒業した後に、アメリカの大学でマーケティングなどを学んでいたことと、大手の商社に勤めていた経験から「経営っぽい」ことは自分なりに理解しているつもりでしたが、竹田陽一先生にそれを聞かれた時に、改めて「経営」に対する自分の勉強不足を痛感させられました。
それから私は、竹田陽一先生に弟子入りさせていただき、経営について直接学び始めたのです。
その後、ランチェスター戦略を活かした資金調達などにも取り組み、独立してから約2年で約5億円の資金調達も実現でき、社員も120名を超える会社に育てることができました。
その後、株式をすべて売却して、2004年にランチェスター・コンサルタントとして、再び独立。お陰様で顧客にも恵まれ、経営を続けてくることができました。
2018年には、新しく障がい者支援の法人を設立して、そちらも順調に育っています。
ここで経営の勉強に関わるエピソードを、あなたもおそらくご存じの会社の事例でご紹介しますので、経営を学ぶとはどういうことなのか、考えてみるきっかけにしてみてください。
コロナ禍で倒産したように見える12代続いた会社の本当の倒産理由
あなたは、ブライダル大手だった、ワタベウエディングという会社を知っていますか?
この会社は、コロナ禍になって再生申請をしたのですが、社会の人の多くは、コロナ禍が原因で売上が激減したことで会社の存続が困難になったと思っています。しかし、本当はそれ以前に問題がありました。
経営の勉強をしていなかった新社長になってから、かなり厳しい経営を強いられていたのです。会社経営に資金は必要ですが、資金があることだけが成功の必要要因ではありません。
経営の勉強が、いかに大切か、経営には資金よりも重要な要因が存在するということです。
徳川綱吉の時代から12代続いた扇子屋の流れを汲む、ブライダル大手のワタベウエディングが、株式会社化からちょうど50年目の2021年3月に、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請しました。
一見、コロナ禍の影響による業績悪化のように見えるのですが、ワタベウエディング元会長の渡部隆夫氏は、日経トップリーダー(2021年4月)のインタビューの中で、社長の座を譲った当時41歳だった息子である社長について、こう語っています。
「親心から優秀な社員を側近につけましたが、かえってそれが失敗で、能力を正しく見定めることができなかった。私の手元に置いて、経営を教えればよかったと後悔しています。」
ワタベウエディングの倒産は、コロナ禍が引き金になっただけで、それ以前に経営を学んでいなかった次世代社長の迷走する経営が、すでに存在していたわけです。
「MBA」と「本当の経営の勉強」の違い
「経営の勉強」というと思い浮かぶのが「MBA」。
高学歴の上、大企業で働いた経験がありMBAも取得している経営者は、「経営手腕」に長けていると考えていらっしゃる方も、いるのではないでしょうか。
そのお一人が、大塚家具の元社長、大塚久美子氏ではないでしょうか?
父の時代の2008年に、リーマンショックが引き金になって当期純利益で5億3千万円の赤字を出し、2009年に社長に就任した元大塚家具社長の大塚久美子氏。
久美子氏が社長に就任後の2011年には、営業利益、純利益とも黒字にもしますが、利益幅を減らしながら2013年には営業利益8億4千万円、当期純利益8億5千万円の水準まで低下し、2014年に営業利益で4億円の赤字を計上したことがきっかけで、お家騒動に発展。
会社を引き継いだ時の自己資本比率は、上場企業としてはメチャクチャ優良な74%。
父親と先代の側近や従業員を会社から追い出した2014年には、負債総額は120億円でしたが利益余剰金を279億円持っており、キャッシュの保有高が凄かったのです。
しかし… その巨額な自己資金も数年で底を尽きます。
有利子負債などはない状態で2013年以降、会社の業績が悪化しても賃下げは、しませんでした。
その結果、手持ちの資金が底をついてヤマダ電機に身売り。
2019年に1年間の猶予で社長に就任するも結果が出せず、社長解任。
ヤマダ電機の経営マネジメントが始まりました。
10年以上もの間、業績不振に喘いでいた大塚家具は、大塚久美子氏の社長解任から1年程度の2021年4月期第3四半期決算には、売上高199億8400万円と、7年ぶりの増収(前年同期間比3%増)を実現。
通期では赤字での着地予想ですが、業績改善が進み、来期の黒字化が見通せるところまで持ち上げたヤマダ電機の経営能力を、見せつけられた形になってしまいました。
2019年12月に大塚家具を子会社化したヤマダデンキとの一体販売が功を奏して、大塚家具の店舗で家電を、ヤマダデンキの店舗で家具を一緒に展示販売する「暮らしまるごと」提案が、売り上げを押し上げたことが好転のきっかけになったようです。
大塚久美子氏はその後、新しく会社を立ち上げて「コンサルティング会社」をされていらっしゃるそうですが、彼女の経歴はほんとうに素晴らしい一流のものです。
一橋大学経済学部を卒業して株式会社富士銀行(現・株式会社みずほ銀行)に入行し、その後、筑波大学法科大学院を修了している、いわゆる金持ちエリートの代表みたいな方ですね。
しかし、彼女には前述のワタベウエディングの事業を承継した社長と同じように「これから社会ではどんなものが必要とされて、自分たちは、そこでどんな役割を果たすのか?」という大切なビジョンがなく迷走することになり、結果的に未熟だった「経営力」と「経営戦略」を描くことができなかった末路といえます。
本当の経営の勉強とは
では「経営を学ぶ」とは、いったいどんなことなのでしょうか?
それは「経営の原理原則を学ぶ」ということです。
この「経営の原理原則」を学べる学校が、残念ながら日本にはありません。
大学院の修士課程としてのMBAは、市場分析、手の打ち方の思考などは学べるものの、統計的な「成功の法則」としての「経営の原理原則」というものは教えてもらうことができません。
「経営の原理原則」とは、統計学でもあります。つまり経営の傾向分析です。
独立を希望されている人には、ぜひこの「ランチェスター戦略を使った経営の原理原則」を学んでから、スタートアップをしていただくことをお勧めします。
ランチェスター戦略とは、1914年にイギリスでフレデリック・W・ランチェスターによって発明された、2つの方程式に由来します。
その後、2つの方程式から「強者の戦略」「弱者の戦略」という名称が、日本では定着しました。
日本では、トヨタ自動車をはじめ、セブンイレブン、花王、HIS、ソフトバンクなど数多くの企業がランチェスター戦略を学んで「経営」に活かしてきました。
ソフトバンクの孫正義氏は「孫の二乗の法則」と「ランチェスター戦略」で会社経営に取り組んでいると明言されて、話題になっています。
これから起業したい人、また起業したての場合でも遅くはありません。
ぜひ「ランチェスター戦略」を学んでみてください。
「経営の原理原則」を学ぶことで、ビジネスの成功の確率が大きくなるでしょう!
私たちは起業をする人、起業をしたばかりの人を対象に、ランチェスター戦略を含めた経営の知識を学んでいただくサービスを提供しています。