「会社にとって商品とは武器である」
このように聞いて皆様はどう感じますか?
商売というものを戦いに例えることを極端に嫌がる経営者もいらっしゃいます。
当然お客という視点に立てば、戦いではなくていかにお客に好かれるかという事が大切です。
しかしながら、様々な商品が溢れかえっているような飽和した市場においては、企業間競争が激しくなります。
自社の商品をお客に選んでもらうためには、お客の選択肢に残って、最終的に選んでもらう以外に業績を良くすることは不可能です。
結局、自社の商品や自分のお店を選んでもらうために、どうしても「競争」が発生するので、商売を戦いに例えることとなります。
その際に、商品が他の商品やサービスに対して強力な武器であるという認識が必要なのです。
私はこれまで700社を超える数の会社と関わってきましたが、皆さんの相談の中で多いのが「売り方」の話です。
どう売ったらよいのか、小手先にすぎないようなPRやコマーシャルの話を聞きたがる人が多くいらっしゃいます。
私はよく、中小企業をヒット曲のないミュージシャンに例えます。
ヒット曲がないうえに、ドサ回りをコツコツやっているイメージです。
小さいヒットをたくさん作りだして、その延長でまたいろんなひらめきが出てきて、それを改良し続けて、会社を支えていく商品になっていくことはよくあります。
しかし、小さくてもヒットを持ってないと、いつも同じところをぐるぐる回っているような商品開発になってしまいます。
やはりランチェスターの竹田陽一先生の言う、
「武器としての商品戦略」
の意識を持たなければ、どんな営業戦略もプロモーションも役に立ちません。
武器である商品にとって求められるのは以下の三点です。
- より多くの見込み客を作ることができる
- 見込み客を数多く顧客にして購入してもらうことができる
- 一度買ってくれた顧客がリピートしてくれるか、新しい顧客を紹介してくれること
商品は、経営の目的である「顧客の創造」ができなければなりません。
まず商品を見たときに、「これはおもしろいな」とか「なんかよさそうだね」とか、見込み客を作れる商品じゃないと何もできないという事です。
勿論多くのお金をかけてテレビコマーシャルを作っても、商品自体がどこにでもありふれたものだとしたら、興味は持ってもらえません。
広告費用をよく使う会社には、消費財メーカーがあります。
たとえば石鹸とか洗剤、シャンプー、食べ物でいえばパンを作るメーカーなどです。
これらはコマーシャルなどを出して露出を高めないと売り上げが落ちると言われています。
コマーシャルの中で技術的な進化や機能性の進化、新しいコンセプトなど、新しいことを訴えてはじめて興味を持ってもらえます。
重要なことは、新規性によって「見込み客を作る」ということです。
買ってくれた人に満足してもらえてリピーターになってもらえれば、その人からさらに新規客へつながることもあります。
さあ、皆様も是非、会社にとっての「武器」を磨いていきましょう。
出典:河辺 よしろう:『社長力講座』ぱる出版