中国の武漢から発生した「新型コロナウイルス感染拡大」の影響で、日本の政治の力学が邪魔をして、日本では国家安全保障ということが実質的にほとんど機能していないことが露呈されてきましたね。
「安倍首相は派閥を持たないので、どうしても公明党や自民党内の派閥の力学(利益的誘導)によって苦しい立場に立たされることが顕著に露見しています。
報道によると、首相官邸での混乱が伝わってきそうな報道もされるようになってきました。
首相は2012年の政権復帰以来、国政選挙で勝利を重ねて1強体制を築き、危機管理や国会対応に臨んできた。
だが、コロナ問題では十分な手を打てていないとの厳しい見方が広がる。
医療従事者への高性能マスクなどが不足し、経済対策もスピード感に欠けるためだ。背景には、危機対応の要だった菅義偉官房長官が重要政策決定から、『外されている』(自民党閣僚経験者)ことや、政府・与党の連携が十分機能していないことがあるとみられる。
これまでは菅長官が公明党の支持母体である創価学会幹部とのパイプを生かし、同党との調整役を担ってきた。
公明党関係者は現金給付をめぐる迷走に『菅長官と学会幹部のパイプは機能していなかった。
首相が周辺とだけで決めた結果だ。第一次政権と同じだ』と断じた。」4/19(日) 10:23時事通信より
江戸時代に俳聖と呼ばれた松尾芭蕉が晩年に残した掛け軸には、「自然(じねん)」という文字が残されています。
これは老子、荘子が説いた「無為自然(むいじねん)」という言葉に由来します。
言葉の意味は、「作為を捨て物事のありのままの姿を肯定すること」
今の日本の政治家に、もっとも欠けているものですね。
コロナウイルスは私たちの生活を根底から一変させてしまいました。
おそらく以前のような生活に戻ることはもうないのではないでしょうか?
こんな時だからこそ、一度立ち止まってゆっくりと過去のコロナ、今のコロナ、これからのコロナということをランチェスター的に考えてみませんか?!
まずは私たちが日常的にしている経済(GDP)の原理原則から考えてみましょう。
この前提に立った時に、コロナウイルスが私たちに与える影響から論じていってみましょう。
コロナウイルスは、その特性上「人」の動きの制限を強いられる病気です。
そして、それ以上に影響が拡大すれば、人の動きと同様に「モノ」の動きが止まってしまいます。
そうなると経済が崩壊するどころか、日本人のQOL(クオリティ オブ ライフ)、つまり生活の質の低下が始まります。
「モノ」の動きとは、簡単にいうと「製造」と「物流」です。
「人の動き」を制限しなければいけない状況下で、国が絶対に守らなければいけないことは、この「製造」と「物流」をいかにして止めないことか帰結されます。
いい方を変えれば、コロナウイルス対策として真っ先に考えなければいけないことは「モノの製造と動きを止めないためにどこに投資するか?」に取り組むことです。
その為には、未知なる新型コロナウイルス対策として一番重要になりうることは、「終息時期目標を政治判断で決める」ことなのです。
「いつまでに政府としては、このコロナウイルス感染を終息させるのか?」という時系列の目標です。
具体的にいえば医学、薬学の専門分野と協力して「ワクチン」の開発、製造と流通をどうするかを確保することを目標に設定することです。
それが1年後なのか、1年半後なのか、2年後なのかを仮設として決めることです!
未知のウイルスに対して、一カ月で終息するなんてことはありえません。
もし目標とした終息時期に至っても終息することが難しいと判断されれば、さらなる目標日程の設定に加えて投資の増加、つまり追加予算ということを議論すればよいことなのです。
このワクチンの開発ロードマップがないままに国民への補償の話をするから議論が深まりません。
とくに、日本の新薬開発には厚生省の認可基準が時間的に長期化し過ぎていて厳しすぎるとの議論は以前からあるので、海外のワクチン開発へ協力するということも含めて莫大な投資をすべきです。
簡単に取り組まなければいけないことをランチェスター法則的にウエイト付けすると、下記のとおりです。
- ワクチン開発の製造と流通の面から終息時期の目標設定
- その期間でのどういった支援を国民にしていくのかの決定
- 支援を各都道府県で実行するための政策
予算配分のプライオリティとしてランチェスター的にいえば、戦略7割、戦術3割に予算配分という考え方です。
全国民に対してマスク2枚の配布とか10万円の支給とは、ランチェスター的にいえば「戦術予算」でしかないのです。
つまり「根治療になっていない」ということです。
終息化させるにおいて、目標設定として最も重要なことは以下の3点です。
- いつ対策薬が開発されるのか
- それまでどうやって医療現場を維持するのか
- それまでどうやって経済を支えるか?
「終息期限の目標設定」がなければ目的と目標が立てられないまま予算の増大化だけを招きます。
中小企業で運転資金の3か月分くらいのキャッシュを手持ち資金として持っている会社がどれくらいいて、1年分持っている会社がどれくらいいるかということです。
今回のコロナウイルスの感染状況は、3か月後までに終息する気配がまったく見られません。
つまり、それは「中小企業の大倒産時代の到来」を予感させるものです。
医療現場、薬品提供の観点から終息時期を仮設で決めて、何カ月間の運転資金が必要かを想定することから始めないと、金額云々の話はテレビでやっているように多い、少ないだの抽象論にしかなりません。
企業の手持ち資金の平均的な数値等は、TKC全国会のBAST(TKC経営指標)など参考になる資料は色々あると思いますので、終息時期目標を設定してから、それまでの期間の補助を行う政策が必要であると、著名な経済学者は誰も語らない。
当たり前かもしれません、政治家も学者は「サラリーマン」でしかないからです。
今、私たち零細、中小企業の経営者にできることは「感染しない、感染させないこと」を社員と共に徹底して取り組むことです。
そして、「感染しない、感染させないこと」のために、自社がどんな取り組みをしているのかをしっかりと社外へアピールしていきましょう!