「いかに接触回数を増やすか」をまず先に考える
営業力を表現した方程式があります(ランチェスター戦略より)
つまり、営業の内容(質)にこだわるのではなく、単純に接触回数を増やす方が営業力は上がるということです。
営業の種類には2つありますから、いかに上手に組み合わせて接触回数を増やしていくかを計画することがポイントとなります。
- アウトバンド(PUSH型)
こちらからお客さんにアプローチする(呼び込み)
(1) 直接訪問
(2) 電話、メール、FAX
(3) お礼状、DMなど郵便物 - インバウンド(PULL型)
お客さんが来てくれるように仕掛ける
ホームページ、チラシ、イベントやセミナー
ただ、売れればいいわけではありません。
営業の仕事がはっきりとした形として見えるのは、契約や売買が成立したときです。でも、そこに至るまでの電話だったり、訪問だったり、面談など複数回のお客さんとの接触があって、初めて結果につながっているはずです。
何のために今、この商品を、この人に、この「営業方法」で買ってもらうのかという、売る側の「質」が問題になるのです。
〈営業に投資するためのポイント〉?どのように売るか?
- 接触回数を増やす営業計画
- 営業をゲームにして量をこなす
- 継続的な情報提供に持ち込む
営業活動をポイント獲得ゲームにして量をアップ
では、どうやって営業の「質」を上げていけばいいのか。
営業の方程式に戻れば、「量を増やすことしか、質を上げる方法がない」ということになります。
まるで禅問答のようですが、新入社員に対して、いくら「営業の質を上げろ」と言ったところで、上がるわけがありません。
毎日3社ずつ訪問しているなら、6社訪問してみる。
毎日10件電話しているなら、20件に増やす。
量をこなしていくことで、確実に再現性は高くなっていきますから、質も変化していくはずです。数をこなすことが、いちばんの近道だったりします。
ただ、何も案がないわけではありません。営業マンになると「日報」をつける人が多いですが、これをうまく使うことで、モチベーションの維持や、自分の成長の振り返りができるようになります。
営業活動、すなわちお客さんとの接触回数を、ポイント制で記入するようにするのです。
これは、私のお客さんの会社でもやってもらっているのですが、例えば契約をもらったら1件につき4ポイントをつけます。
面談できたら3ポイント、アポが取れたら2ポイント、紹介いただいたら1ポイントなど、内容に応じてあらかじめ設定しておきます。
自分なりの基準を1日20ポイントなどと決めておくと、今日はどこまで達成できたか、できないかが、日報を見るだけですぐにわかります。
記録に残ることで、本人にとっては日々の仕事に達成感が生まれますし、上司や会社も、案件ごとの進捗状況が見えるようになります。
さらに日報の記録が増えていくことで、営業の再現性も高くなっていくはずです。
営業の1日20ポイント獲得ゲーム
※営業マンの行動をポイントに置き換え、1日のポイントを確認する
- 契約をいただいた 4ポイント
- お客さんと面談した 3ポイント
- アポが取れた 2ポイント
- 電話で話した 1ポイント
- 紹介をいただいた 1ポイント
1日20ポイントの獲得を目指す!
「タイミングが悪かった」で、情報提供に持ち込む
営業は、断られるのも仕事のうち、という側面があります。
お客さんに買ってもらうまでは、いくら好感触の訪問でも面談でも、断られ続けることになるからです。
そうすると、地方などの場合は会社が少ないこともあって、営業先が減ってしまう、行くところがない、何をしていいかわからない状況になってしまいます。
そんなときのために、売り込みに行ったり、お客さんを訪問したときなどに、ちょっとした投資をしておきます。
次回の接触を断られない状態にして、その場を後にするのです。
何度も訪問をして、プレゼンをした会社から、「今回はちょっと・・・」「まだ、そういうアレじゃないんでね」と、やんわり断られたとします。
ここでの「ちょっとした投資」「断られない状態にする」というのは、「すみません、タイミングが悪かったですね」で話を終わらせてしまうのです。
商品がどうの、値段がどうのではなく、ただタイミングが悪かった、そこを推し量れなかったのが申し訳ない、と。
そして、「今回はタイミングが悪かったようですが、うちはこういう商品や業界に対する情報をたくさん持っています。常に最新の情報を提供できますから、またお時間いただけますか」という、パーミッション(許可)だけをもらうのです。
「じゃあ、半年か3か月に1回、情報提供させてください」といった相手に対し、ダメという人はまずいません。社交辞令でも「いいよ」と言うでしょう。
そしたら本当に3か月後になり、半年後に情報提供に行くのです。
それでも断られたら、また同じように許可をもらって、さらに3か月先、半年先に訪問する。これを繰り返します。
セールスサイクルは情報提供で早くなる
今までのセールスプロセス
- 見込み客発見
- TELアポ、飛び込み
- アプローチ
- プレゼンテーション
- クロージング
- 納品
これからのセールスプロセス
- 見込み客発見
- TELアポ、飛び込み(情報提供・定期連絡)
- アプローチ(情報提供・定期連絡)
- プレゼンテーション(情報提供・定期連絡)
- クロージング(情報提供・定期連絡)
- 納品(情報提供・定期連絡)
- 情報提供・定期連絡
営業にとって大切なのは「新規の見込み客リストを、いかに減らさないか。どうやって増やし続けるか」です。
箸にも棒にもかからない会社はダメですが、多少なりとも可能性があるところは接触するスパンを延ばせばいいのですから、半年に1回でも、1年に1回でも、定期的に接触するようにすればいいのです。
そして重要なのは、お客さんへ「どんな情報提供をするか」です。新規顧客や未開発顧客をつなぎ止めるためには、頻繁に情報提供や定期連絡をはかって、とにかくつきあい続け、見込み客を離脱させないことが大事になってくるのです。
営業は質より最重視で、情報提供を欠かさない。