「願望」を辞書で引くと「神様仏様に願をかけるような強い希望」と解説されています。
この言葉からも分かるように、経営で最も大事なものは「社長であるあなたが経営する会社を何としても良い会社にしたい」、「あなたが担当している仕事で何としても最高の実績を出したい」という燃えるような強い希望や熱意が「願望」になるわけです。
その願望がはっきりした形になって現れるのが、経営ということなのです。
一代で世界的な大企業に育て上げた大社長の願望はとても強いので、大抵20代で起業しています。
しかも、その願望の火は、40年経っても50年経っても絶えることなく燃え続けるのです。
これはすごい。
社長にとっては、事業に対する願望が最も大事です。
人にとって、とても大事になるのが「向上心」です。
社長であれば、経営戦略をしっかりと研究し、自分の戦略実力を同業者の中でトップクラスに高めたいという個人的な欲求が、向上心に繋がっていきます。
社員であれば、自分の仕事において必要な知識や技術をしっかりと研究し、同じ仕事をしている人の中でもトップクラスに高めたいという、個人的な欲求が向上心につながります。
向上心が乏しい人はよい仕事ができなくなるばかりか、人間的な魅力も失われてしまいます。
大事なことを実行する時に欠かせないのが「決断力」です。
経営をしていると、役に立つものや立たないもの、経営に直接関係あるものや関係ないものがいくつもかかわってきます。
決断力がなくて関係ないものを捨てきれないでいると、やるべき仕事が山のようにあるように思えて、心にゆとりが持てなくなるものです。
心にゆとりが持てなくなると、経営改善をする上で大事なものとであったとしても、それが見抜けず見送ってしまうためチャンスを逃してしまうのです。
決断力のない人は、必ずマンネリ経営に陥っています。
もうひとつ、忘れてならないものがあります。
それは「忍耐力」です。
市場規模が小さな商品や、市場規模が小さな地域でも、実際に一位になるには5から7年と長い間努力を続けなければなりません。
どこの地域にも、必ず競争相手が居ます。
しかも、その中に手強い競争相手がいれば、もっと長い年月がかかるでしょう。
この時忍耐力がない人は、3年どころか半年も実行しないうちに諦めてしまうので、他社より優れたものなど何1つ作れません。
商品に競争力があるものが1つもなく、どれも負けていて、強い地域も1箇所もないという具合です。
これではジリ貧になり、ほどなく倒産件数を1軒増やす結果になるのは明らかです。
願望・熱意・向上心・決断力・忍耐力は人にとって欠かせない精神状のエネルギーになります。
また、企業という組織隊が活力を持って経営活動を進めるときのエネルギー源にもなります。
人の上に立つ人ならば、それらはなおさら大切になるのです。
出典
河辺よしろう著『小さな会社☆社長のルール』フォレスト出版