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緊急事態宣言後の婚礼・葬祭ビジネスのゆくえ

10月に入って、やっとこさ緊急事態宣言が解除されましたが、コロナ禍が変えた人の集合体をビジネスとしてきた婚礼・葬祭の業界は、いったいどうなっているのでしょうか?

JNEWS.COMの記事によると、日本では年間およそ60万組のカップルが結婚するらしい。

年間100万組の婚姻数があった1970代と比較すると、コロナ禍になる前から結婚の価値観は、ずいぶんと大きく変化しているようですね。

そこに追い打ちをかけるように、2020年以降は新型コロナの影響によって、さらに婚姻数は落ち込んでいます。

厚生労働省が発表する人口動態統計(速報値)によると、2020年11月末で集計した過去1年間の婚姻数は、前年比で10%近く減少したらしく、さらに2021年は、出生数も前年比マイナス7.5%に落ち込むことも予測されているということです。

婚姻数の推移(国内)

  • 1970年……102.9万組
  • 1980年…… 77.4万組
  • 1990年…… 72.2万組
  • 2000年…… 79.8万組
  • 2010年…… 70.0万組
  • 2015年…… 63.5万組
  • 2018年…… 58.6万組
  • 2019年…… 59.9万組
  • 2020年…… 53.8万組
    ※出所:人口動態統計

このデータは驚きですね!

1970年と比較すると、2020年の婚姻数は約半分しかないことになります!

だから、コロナ禍におけるブライダル市場の落ち込みは統計値以上に深刻で、結婚カップルの中でも、結婚式を中止したりすることが増えています。

国内ブライダル業界で最大手のテイクアンドギヴ・ニーズは、2020年4月~12月の婚礼件数が前年同期で7割減となり、婚礼1件あたりの単価と平均参加人数でも減少傾向で最終損益は131億円の赤字。

農林中央金庫などを引受先として30億円の第三者割当増資を行うことで、当面の資金繰りを凌いでいるそうです。

テイクアンドギヴ・ニーズ

テイクアンドギヴ・ニーズの業績推移

婚礼件数

  • 2019年4~12月……9,214件
  • 2020年4~12月……2,982件

婚礼平均単価

  • 2019年4~12月……393.5万円
  • 2020年4~12月……353.2万円

平均人数

  • 2019年4~12月……69.5人
  • 2020年4~12月……49.1人
    ※出所:同社決算資料

記憶にも新しいところとしては、海外挙式の草分け的な存在で、ハワイを中心としたリゾート結婚式を展開してきたワタベウェディングは、渡航制限の影響を受けて、売上の半分を占めていた海外挙式を行うことが不可能となり、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)による債務の私的整理を行うことを、2021年3月に発表しています。

このように、新型コロナの影響により派手な結婚式を行う習慣は衰退してきているのは事実ですが、ワタベウェディングについては、日経ベンチャーで以前取り上げられていましたが、創業者である現社長の父にあたる会長が、
「コロナ禍の所為で経営がおかしくなったわけではない!後継者の資質のない息子を後継ぎにしたことが業績悪化の原因だ!」
と、まるで大塚家具なみに親子戦争を繰り広げていたようです。

お父様に言わせれば、ワタベウェディングは1970年代にハワイ挙式、いわゆる海外挙式と言われる商品を開発して一気に成長してきましたが、実はそれ以降「革新的なサービスをなにもローンチできなかった」ことに経営不振の大きな問題があったと言っています。

つまり、ハワイ挙式で親の代に「当てた」けど、それ以降まったく何の新しいことにも成功せず、過去のレガシーで会社経営を続けていたことにこそ、問題の本質があるといっているのです。

一見、コロナ禍での倒産などに見えて実はそれ以前の既存の問題の蓄積が、今回のコロナ禍で爆発して倒産した例は、レナウンをはじめ沢山あるのです。

少しだけ葬儀業界に触れておくと、コロナ禍の影響はやはり大きいようですね。

葬儀の件数に大きな変化はないものの、規模を縮小した葬儀が主流となっており、葬儀1件あたりの単価が減少しているのが、その原因のようです。

関西を中心に、全国100ヶ所の式場で年間14,000件の葬儀を施行する燦ホールディングスは、葬儀単価が7~15%下落したということです。

これは感染対策で参列者を減らすことに伴い、供養品や返礼品の販売需要も減少していることが関係していて、一番打撃が大きいのが社葬を含めた500万円以上の大規模葬は、前年比で施行件数が半数以下に減少し、施行収入でも6割減となっているとのこと。

燦ホールディングス

費用的には、結婚式は平均360万円、葬式は200万円と言われていますが、その中で飲食接待費や返礼品の費用が多く含まれていて、それが利益を生み出しています。

海外でも、コロナを転機にて結婚を簡素化する動きは高まっており、従来の無駄を省いて新スタイルの結婚式を行うカップルが増えて、婚活についても学校や職場でのチャンスが激減していることから、オンライン上のマッチングサービスを利用する若者が急増しており、恋愛スタイルにも変化がうまれています。

これから、色々な形の新しいサービスが過去の常識的だった業界ビジネスモデルを塗り替えていくことも、婚礼、葬祭業界に通じる潮目のようですね。

今日の教訓「同じビジネスモデルは10年もたない」

参照:JNEWS.COM

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