攻めるエリアを分類し限定する

地方都市において、紹介などでおいしそうな話がやってくると、ついつい他府県まで出かけていって仕事を受けてしまいがちです。
それは、切羽詰まって、この案件を受けないと会社が倒産してしまう…と言う状況であれば致し方ないかもしれませんが、そんな切羽詰まった危機的状況以外は、自分が決めた以上出ないことを、大原則にすべきです。
限定されたエリア内での市場占有率をあげれば、あらゆる面で効率が良くなり、定期率が格段に上がります。

では、どのようにしてエリアを限定すれば良いのでしょうか?
会社を拠点にし、車で片道15分位がベストでしょう。

それを超える領域を攻めるなら、営業所や支店等の拠点をもう一つ作り、そこから攻めるべきです。
もちろん、それは最初の拠点で、市場をある程度制圧することが前提です。

地域の本屋や図書館へ行くと、エリアの所在する市や県の歴史の本を見つけることができます。
そこには、大昔からの集落や、その地名が記されています。

平成の大合併で全国に市町村の合併がおきましたが、歴史を見ると、地名などは幾度となく変わっており、合併や分離は数え切れないほど繰り返されてきたのがわかります。
しかし、そこにはある一定の法則が見えてきます。
車やバス、電車などの交通手段や、電話や郵便などの通信手段がない時代の集落形成は、どんな時代でも地理的要因が境になっているのです。

山脈や河川が大きな障害となって、長きにわたって人の流れを分断してきました。
現在も、小中学校の学区や高校の学区などは、その地理的要因によって、ある一定の市町村が境になっている場合がほとんどです。
つまり、人の流れはどの時代においても、地理的要因を克服しきれていないわけです。

ミクロに見ても、細分化された地域は、川や山などで区別されています。
また、地方都市のほとんどが中心部に国道またはそのバイパスが通り、並行して線路があり、街の中心近くに駅があり、川によって分断された道路をいくつかの橋でつないでいます。

ここでも、このような地理的要因によってミクロ的に細分化することができ、攻めるエリアは、この細分化したエリアごとに対策を練らなければいけません。
なぜ片道15分が良いかと言うと、営業マンがついで回りをすることができ、効率よく動くことができる、ほどよい距離だからなのです。
ついで回りほど、効率的な移動方法はありません。

また、地域を小さく限定することにより、あらゆる投資コストを大幅に下げる効果もあるのです。

地理的要因を重視し、車で片道約15分の地域を1つの商圏とし、その限定されたエリア内の市場占有率を高めることを心がけましょう。

出典
小原隆浩『コアラ社長の経営戦略』週刊住宅出版社

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