オートパイロット機能を核としたドローン業界の再編で日本の企業は?

中国の武漢から世界に広がったコロナ禍ですが、バイデン政権になってWHOの調査視察団が中国入りして、中国の研究所の細菌管理を絶賛していましたね。(笑)
予想通りというか、これから益々中国とアメリカの融和政策が加速化されて、オバマ政権時代の一体一路計画が再び動き出す勢いになってきました。

しかし、ドローン業界はまだ先行きがわかりません。
脱中国化で再編されるドローン業界という流れが、バイデン政権でアメリカの知財を中国に流出させる流れが強まれば先行きが不透明ですが、今のところは既定路線でネット上のサービスはほとんどが無料で使えるのと同じように、サイバーフィジカルなテクノロジーもオープン化のビジネスモデルを歩み始めています。

やはりこの背景にあるのは、AIやロボットに組み込まれる技術の中から、「脱中国」の動きが加速していることです。

米国商務省では、国家安全保障の観点や、外交上の利益相反で問題が生じる貿易相手のブラックリスト「Entity List(エンティティリスト)」を公開していますが、その中には240社以上の中国ハイテク企業が含まれていて、サイバーフィジカルシステムの主戦場は各種のIoTセンサーがクラウドに収集したデータをAIが分析する部分となり、そこを中国企業に握られると安全保障上の問題が生じてくるという米国側の懸念が存在します。

トランプ政権時代に中国企業で危険だとされた企業との取引を禁じた米国商務省Entity Listが作成され、米政府として中国企業との事実上の取引を禁じさせる流れがすでに始まっています。

米国商務省Entity List

その典型的な製品といえるドローンは、中国メーカーのDJIが世界市場で7割のシェアを獲得しています。
同社も2020年12月にエンティティリストに追加されており、今後は米国への輸出や、米国内での機体販売すること、DJIに対して部品を供給することも難しくなるとみられていますが、バイデン政権で元の木阿弥になるのでしょうか?

世界で飛行する中国製のドローンは、クラウドよってすべて飛行経路が中国に把握されていることが事実として伝わっていることから、米国以外の国でも「脱中国」の動きは加速しているといわれています。

日本政府も、犯罪捜査、インフラ点検、災害対策などで国が保有している約1000機を、中国製から国産ドローンに置き換えることを2020年に決定し、国内メーカーに対して、助成金を支給しながら機体開発の委託を行うようにしはじめています。

日本が一番苦手な規制緩和で実現する「ドローン社会」

国産ドローン産業の育成に向けて、日本政府は2022年までに航空法の改正も計画しており、その骨子となるのは人口集中地での飛行申請が必要な機体の重量を現在の200gから100gとして、機体は国土交通省に登録してID個体番号の通知を受けることや、公的な免許制度を設けてドローンの安全性を高めること。一方で、目視以外の飛行、物品の投下、高度制限などの規制緩和が検討されています。

そのため2022年以降は、宅配便の荷物を空中輸送するような、ドローン貨物サービスが、日本国内で実現することも期待されていますがスピード感のない日本の業績に実現はいつになったらできるのでしょうか?

愛知県豊田市にあるドローンベンチャーの株式会社SkyDriveでは、30kgまでの重量物を運搬できるカーゴドローンを既に商品化しており、木が生い茂っている山間部のような場所でも、着陸せずに荷降ろしすることができるそうです。

用途は色々と考えられますが、人登山者用の山小屋に物資を輸送することや、過疎地への宅配便配送など、これまで人間が行ってきた非効率な輸送作業を空から行うことが、カーゴドローンの役割になると見られています。

最近話題の、過疎地に軽トラで食材を販売する事業が影響を受けるのでしょうか?

自治体や民間企業がドローンを導入するには、機体購入の初期費用や定期的なメンテナンスがネックとなりますが、SkyDriveではカーゴドローンの導入体系を月額38万円~のサブスクリプション契約にして、月額定額料金にはドローンの機体提供(備品を含む)、操縦研修、保守メンテナンス代、保険料などがすべて含まれているようにしています。

機体のメンテナンスは、整備スタッフが現地に出張して行うのではく、機体をSkyDrive側に送ってもらい、代替機を返送することでコストを抑えているそうです。

サブスクモデルなので機体の性能がバージョンアップされる時にも、追加費用無しで新機種への入れ替えが行われるため、クライアントは、これまで地上からの作業を担当してきた社員の人件費と比較しながら、ドローン運用の費用対効果を判断しやすいことからドローンが活躍しても雇用への効果は薄そうですね。

株式会社SkyDrive

カーゴドローンの紹介映像

産業用ドローンのサブスクリプション契約

汎用性を高めてコモディティ化する市場で自動操縦技術はオープン化する

ドローン業界が進化していく過程は、電気自動車(EV)による自動車業界の再編モデルと重なる部分もあります。

産業用ドローンの開発で最も重要なのは、墜落事故を起こさないための安全対策ですが、ヒューマンエラーが生じやすい人間(パイロット)に操縦を任せるよりも、オートパイロット機能による自動操縦で安全性を高める方向性ができているのが現状。

ヒューマンエラーの確立よりも、オートパイロットの方が信頼される世の中になりました。

ドローン業界では、各メーカーが独自にオートパイロット機能を開発するのではなく、汎用のシステムを自社の機体に組み込む形で製品化する方法が、すでに主流になっています。

しかも、それらオートパイロット機能は、オープンソースとして公開されているものが多いので、自動航行システムは、膨大な飛行データが蓄積されるほどバグが発見されやすくなり、安全性が高まるというメリットがあります。

世界で使われるオープンソース系オートパイロット機能の中核となっているのが、米国を拠点として2014年からスタートしている「Dronecode Foundation」というプロジェクト。

そこから「ArduPilot」「PX4」といった複数のプロジェクトに枝分かれして、ドローンの機体に設置するフライトコントローラー(ハードウエア)と、地上から機体を制御するソフトウエアの開発が行われています。

コロナの影響だけではないのでしょうが、これらの団体では無償のボランティアエンジニアと、有給で働くプロエンジニアがリモートで参加しており、チーム単位で各機能の開発が進められています。

基本的なソフトウエアは、オープンソースとして誰でも自由に利用できるようにして、バグの発見と修正を効率的に行い、ドローンメーカーが自社の製品に組み込む部分が、クローズドソースの有償ライセンスになっているというスタイルで、ビジネスモデルが構築されています。

これらのオープンシステムを活用すれば、数百万円~の予算でも業務用途のドローンを開発することが可能になりますので、日本のベンチャー企業が登場することも期待したいところです。

ドローンの開発費用は、機体の信頼性や安全性をどこまで高めるのかによって大きく変わり、趣味のラジコンとしては数万円の予算でも自作は可能ですが、航空機と同レベルの品質を目指すほど、パーツの調達コストも高額になるため技術力が取得できればソーラーパネル(ソーラーとは技術レベルが違いすぎますが)と同じように人件費の安い国に競争力としては有利に働きそうですね。

Dronecode Foundation

ArduPilot

PX4

参照 JNEWS.COM

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