営業データをつくれば打つ手が見える!

皆さんは「営業データ」の分析をされているでしょうか。
現在のビジネスモデルの、どこに問題があるかを探る時に、欠かせないものです。
「どのようなお客様に、どの商品を買っていただいているのか?」をきちんと抑えなければ、正しい分析はできません。

しかしながら私は、これまで中小企業で既存顧客に関する営業データを作成している会社に、出会ったことがほとんどありません。
あっても、せいぜい「顧客名」「住所」「1ヶ月の売上高」がまとめられた、売り上げ集計表のようなものです。

これでは、次の手の打ち方について、朝のアイデアは生まれません。
少なくとも、既存顧客ごとの「購買履歴」「購買頻度」「購買金額」「粗利益」「営業コスト」や、商品ごとの「売上」「粗利益」「営業コスト」などは、きちんと計算してください。
決して難しいことではありません。

地方都市で、文房具や事務機器等を扱っている会社のコンサルタントを、手掛けたときのことです。
この会社で営業データを確認したところ、「会社別の月別の売り上げ金額」しかわかりませんでした。
しかも、その会社のシステム設計上、もとになるデータから、それ以外の情報を加工することができません。
そこで、過去の伝票を引っ張り出してきて、データを集計していかざるをえませんでした。
この会社の場合、商品カテゴリーは大体4種類。
1番の利益をもたらしているのがコピー機。
続いて、机等の事務機器、アスクルやカウネットなどの通販デリバリー業務、そして、その他の業務です。
これらを、おおくくりの商品カテゴリー別に集計していけばいいのです。
時間と手間はかかりましたが、伝票さえあれば何とかなります。
できれば、システムをきちんと整備していただきたいのですが、そのようなシステムがなくても、手作業で営業データを整備することができます。
絶対にやってください。

このデータをどのように活用するのか?一例を示しましょう。
例えば、御社が主力商品を3社の取引先に販売しているとします。
ところが、3社合計の売り上げも利益も年々減っています。
ここで、問題点を明確にするために、各社ごとの売り上げ・利益と営業コストを確認します。
営業コストは、ざっくりとした計算でも結構です。
1ヵ月とか1年とかの期間内に、何人の営業マンが何回訪問しているかなどをざっくり調べて、それぞれにかかったコストを足し合わせれば大体の数字が分かります。
その結果、最大取引先のA社は黒字だが、B社は若干の赤字、C社は大幅な赤字だと分かったとします。
この場合、いくつかの選択肢が見えてきます。
例えば、C社への営業はやめて、ポストをA、B社に投入することで利益を増やすことができるかもしれません。
A社との取引関係が強固であれば、A社に投入している営業コストをB社に振りかえると言う考え方もあるでしょう。
あるいは、唯一黒字のA社も実は年々利益が減少しているとすれば、もしかすると商品そのものが陳腐化しているのかもしれませんし、強力なライバル商品が出現しているのかもしれません。
この場合には、営業コストの配分を調整するだけでは間に合わず、新商品の開発を考えるべきなのかもしれません。

いずれにせよ、こうした営業データを整備することで初めて、現在のビジネスモデルの問題点がはっきりして、打つべき手=仮説が見えてくるのです。
それを実行しながら、仮説を検証・修正することで、その精度を高めていく。
このプロセスこそが経営なのです。

出典
河辺 よしろう『社長さん!税理士の言うとおりにしていると、会社潰れますよ!』
WAVE出版

新ランチェスター戦略経営実践会
河辺よしろう
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