コロナ禍で伸びる三密回避のビジネスモデル

8月10日 山の日の夕刻。
私は200万人都市名古屋が誇る繁華街「栄町」にあるセントラルパークという、大規模地下商店街にいました。

しかしそこには、大都市のど真ん中とは想像できないシャッター街となった、無残な地下街が存在していました。

人口減少や高齢化による日本の消費マーケットは先行きを危ぶまれていたところに、今回のコロナ禍が追い打ちをかけるように打撃を与えた状態が表面化しました。

名古屋のセントラルパークに近隣して夜の街として有名な歓楽街「錦」からは、クラスターが発生したとの報道もありすでに閑散としている中で、昼間の街まで人がいない状態です。

地下街では難しいことですが、米国では売上が下落する事業者にとって屋内(店舗内)から屋外型のサービスに転換することで、活路を見いだしている動きが活発化しています。
行政も、これを後押しする形で店舗に隣接する道路の利用条件を緩和して、屋外カフェや屋外レストランの営業形態がここのところ急増しています。

ニューヨーク市では、「NYCオープンレストランプログラム」を実施し地域の飲食店が登録申請をすると、店舗前の歩道や縁石ゾーンにオープンテラス席を設置する許可を出してくれます。
道路に面していない店舗に対しては、一部の道路で車両乗り入れを禁止したオープンストリートを作り、そのエリアでの屋外出店を促しています。

これって、昔の日本に見かけられる「商店街」では?

パリには商店街の原点ともいえるパサージュ・クーヴェル (Les Passages couverts)が存在します。
日本のように幅の広い道にアーケードを掛けて大々的にしているものではなく、狭い街の街路にアーケードを掛けて、そこにきれいなタイルやステンドグラスでアーケードを掛けて小道をたくさん作っています。

パサージュ・クーヴェル (Les Passages couverts)は複数の通りを接続することを目的に既存の建築物を改築して設けた通り抜け道、歩行者専用道路として整備されており、18世紀以降のフランスを中心に建造され通路はガラス製の屋根に覆われているのでお散歩にも最適。
複雑に入り組んでいる通路もあり「迷子感のあるちょっとした冒険」がパサージュ(小路)では楽しめます。

パサージュ・クーヴェル (Les Passages couverts)は販売することを前面に打ち出すのではなく、非日常空間としての市民の楽しみ、憩いの場として素敵で個性的な個人店が軒を並べている感じです。

パリのパサージュ・クーヴェルは18世紀末から20世紀初頭にかけて、特に復古王政期に多くが建造されパリの2区周辺のセーヌ川右岸に集中しています。
1786年にパレ・ロワイヤルの中庭に面して建造されたガラス製の屋根を持つ回廊型商店街のギャルリ・ド・ボワ (Galerie de Bois) がパサージュ・クーヴェルの原型とされており、まさにオサレな小路商店街。

日本人にイメージしやすいのは京都の古い小路におしゃれなアーケードが掛かっているという感じ。
京都の柳小路に平安朝のアーケードが掛かっているようなもの?

withコロナの時代になって、疲弊していた全国の商店街でも再起できなくなるところもあるかもしれません。
よく「生き残り策を考える」ということを行政や商店街の組合はいいますが、私にいわせれば「生き残りを考える」時点でその商店街は破綻することが見えています。

「生き残り策」ではなく、自分たちが楽しいこと、そこに来る人が楽しくなることを考えること、つまり「楽しみの創造」が必要なのです。

日本ではゆるキャラというものが一時期はやりましたが、これなどはまさに日本の商業を創造力から遠ざけたきっかけになってしまいました。
自分たちで何かを創造するのではなく「ゆるキャラ」に地元を盛り上げてもらおうとしたことに、日本人特有の他力本願的な金儲けの本質があったのではないでしょうか?

パリのパサージュ・クーヴェル (Les Passages couverts)も現在はコロナ禍で苦しい思いをしていると思いますが、前述のニューヨーク市のようになにか別の形で規制緩和することで、また新しい楽しみが生まれるかもしれませんね。
もともとパリはカフェ文化が根付いており、通常のレストランやカフェでは道路にたくさんのテーブルと椅子を並べて営業していたので、その点では三密を避けられるでしょう。

しかし、日本は道路が狭いことと交通事情が悪いことがあり、一般の道路に面した店舗では保健所などの規制が厳しく、道路にテーブルを簡単に出すこともできません。
しかし、疲弊している商店街ではどうなんでしょうか?

もしかすると、商店街活性化のなにか新しいヒントになるかもしれませんね。
日本でもコロナ禍を切っ掛けに、商店街パサージュ・クーヴェル (Les Passages couverts)活動なるものが登場するかもしれませんね。

(参照:JNEWS.COM

橋本美穂
河辺よしろう
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