感動はもらうより 自分が人に与えることをする

経営者を対象にした講演会やセミナーが増えています。

私も年に200回ほど、あちこち出かけて経営の話をするのですが、皆さんとても熱心に話を聞いてくれます。

しかし、今日はなかなか上手くいったなと思っていても、終了後のアンケートを読んでいて、がっかりすることがあります。

その日の感想が「元気をもらいました」「勇気がわいてきました」の一言で終わっている方が少なくないからです。

正直なところ、元気や勇気を感じるよりも、何か1つでも、今日お話したことを実践してほしい、経営者としての目をしっかりもってほしいと思うのは、欲張りなことでしょうか。

経営がうまくいかない、営業の結果が出ない、社員教育がわからない・・・。

経営者にとって悩みは山積みです。

そこで、役に立ちそうな講演を聞きに行ったり、セミナーに参加したり、社員に外部の研修を受けさせたりして、仕事の質のレベルアップを図ろうとするのはわかりますが、それらはすべて誰かの情報を受け取っただけに過ぎません。

いちばん重要なのは、社長自身が勉強することと、実践することです。

情報の本当の価値は、提供する側が決めるのではなく、受け取る側が決めるものです。

社長にとっての勉強とは、実務の中からの勉強です。
机上の事例には限界があります。
日々の仕事の中にこそ、学ぶべきことがあるのです。

もちろん、業界内の新しい動きをキャッチするためだったり、法改正の動きや、次の事業に活かせそうなネタがあったりなど、新しい情報を得たい、知識の保管を求めてセミナーや講演会に行くのは良いと思います。

しかし、確固たる目的もなく、セミナーや講演を渡り歩き、その感想が「元気をもらいました」では、時間のムダ以外の何物でもありません。

社長であれば、人に感動を与えたり、勇気を奮い立たせたり、本来は「与える側」にいなければなりません。

受け取る側ばかりでは、会社が儲かるはずはないのです。

あなたは人から感動をもらうより、自分が人に与えることをしていますか?

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