ランチェスター戦略・法則のシェア理論についての解説

ランチェスター戦略・法則のシェア理論に基づく目標値

戦略的1位(市場占有率)の3つの条件とは?

今日は簡単にランチェスター戦略法則で有名なシェア理論に基づく目標値について、簡単にお話をさせて頂きます。

本コラムでは、ビジネスにおいて非常に重要な位置を占めるランチェスター戦略とランチェスターの法則、特に市場シェアにおける目標設定に焦点を当てて解説します。

これらを理解し活用することで、企業は競争優位を築き、持続可能な成長を目指すことが可能です。

市場シェア理論の背景

お客を集中して作ると「集中効果」による生産性の向上が生まれます。

この原則は商品、有料のサービス、業界・客層、地域で他社よりもお客を集中して多く作ると、集中効果の原則で同じことが起きます。

経営では競争相手と比較して考える、競観の判断が要ります。
中には「競合などいない」とか、「競合ではなく顧客を見ている」という方もいらっしゃると思います。

たしかにその通りです。

日本最高レベルの給与を支払っているキーエンスも、市場占有率(シェア)は目標にしないと明言しています。

キーエンスは「市場シェア」を目標にはしていませんが、「商品開発」でダントツな商品を作り続けることで結果的に市場占有率1位になってしまっているだけです。

キーエンスは毎年発売する商品の7割以上が業界初か、世界初の商品です。

ランチェスターで言う市場占有率とは、特定の商品、地域、客層にお客を集中して作って範囲が狭くても市場占有率1位になると、利益性がとても良くなるというデータに基づいています。

こうしたものを竹田ランチェスターでは「市場占有率の原則」と呼んでいるのです。
市場占有率が難しいという人は「お客占有率」と理解すると良いでしょう。

では、どれくらいの占有率を取れば利益性がグーンと良くなるのか、これには「数字的根拠」が必要です。

これにきちんとした道筋を立てたのが、故田岡信夫先生と斧田太公望先生のお二人。

このお二人はセールスプロモーションビューロー、通称「SPB」に勤務されていた時、1960年、昭和35年12月に東京で特許事務所を経営されていた「奥田正二氏」が書かれた「企業間競争と技術」という本で、ランチェスター法則を知りました。

それから6か月後に、市場占有率の根拠を計算によって導き出しました。
その後、竹田陽一先生が日経新聞から出版されている上場企業の会社年鑑を使い、あれこれと分析。

10年ほどして、市場占有率と従業員一人当たりの経常利益を計算してこれをグラフに描いてみると、従業員一人当たりの経常利益が市場占有率の「2乗に比例」していることに気がつきました。

市場占有率40%の会社と20%の会社とでは占有率は2:1ですが、一人当たりの経常利益は4:1になりました。

戦略的1位の条件で確立している会社の一人当たりの経常利益は、2~4位の「3~4倍」も多くなっているということでした。

逆にみると、2~4位の会社は1位と同じ商品を作っていながら、一人当たりの経常利益は1位の「1/3~1/4」しか出ていませんでした。

単年度だけではこうならない場合もありますが、3~4年を平均すると「7割以上」の率でこうなります。

戦略的1位(市場占有率)の3つの条件

商品、地域、業界/客層のどこかの分野において以下の状態をいいます。

  1. No.1であること
  2. 市場占有率 26%以上
  3. 2位との間に10:6以上の差(売り上げなどで1.7倍差)

この占有率を持っている会社は、同業他社に比べて利益性が3~10倍くらい良くなります。

市場シェアの目標値を理解することは、市場での成功への道を切り開く上で非常に重要です。以下にその具体的な目標値と意味を示します。

絶対的1位の条件 73.8%(73.9%)

市場において圧倒的な支配力を持ちたい企業は、このシェア率を目指します。これを超えると市場独占の状態となり、他社は競争が非常に困難となります。

安定的1位の条件 41.7%

市場で安定した地位を確立したい企業は、このシェア率を目指すべきです。これを維持することで、競合他社とのバランスを保ちつつ、市場でのリーダーシップを築くことが可能です。

1位最低の条件 26.3%(26.1%)

企業が市場において最低限の影響力を持ちたい場合、このシェア率を目指します。これ以下では市場での発言力が低下し、競争が厳しくなります。

上位競争 19.3%

市場で上位に位置するためには、このシェア率を目指すべきです。これにより、企業は市場での存在感を高め、ブランド価値を向上させることができます。

市場認知 10.9%

市場で影響力を持ち、競合他社にプレッシャーをかけるためには、このシェア率を維持することが重要です。

存在感 6.8%

市場において最低限の存在感を示すためには、このシェア率を達成することが必要です。

拠点 2.8%

市場において最初の足掛かりを築くためには、このシェア率を目指すべきです。特に新規参入企業やスタートアップにとって重要な目標値です。

市場シェアは、競争環境によっても異なる影響を与えます。

独占状態では、一企業が市場の73.9%以上を占めます。
プレミアム状態では、市場リーダーが41.7%以上のシェアを持ち、次点企業の1.7倍以上のシェアを持っています。

複占状態では、市場リーダーと二位企業の合計シェアが73.9%を超え、市場リーダーが二位企業の1.7倍以内のシェアを持っています。

寡占状態では、上位三社の合計シェアが73.9%を超え、二位と三位の合計シェアが市場リーダーよりも大きくなっています。

ポリオポリー状態では、市場リーダーのシェアが26.1%未満で、各企業が近いシェアを持っており、市場は不安定で急激な変動が起こりやすい状態です。

ランチェスターでの市場占有率は、「商品」、「地域」、「業界/客層」の分野でのシェアを際していることを忘れないでください。

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