EBITDAの理解:中小企業の給与待遇改善と経営の視点

EBITDA(イービットディーエー)という言葉を聞いたことがありますか?

中小企業にはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、M&Aに携わったことがある社長さんならよく理解されている言葉だと思います。

EBITDAとは、
Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization
の略で、支払い利息、税金、減価償却費を差し引く前の利益、つまり「1年間の現金収入」を表します。

つまりEBITDAとは、支払い利息、税金、減価償却費を差し引く前の利益、つまり1年間の現金収入を表す指標になります。

つまり決算書上から見た時に、どれくらいのキャッシュが稼げるビジネスであるかが、よく理解できる指標といえるでしょう。

そして最近私が、このEBITDAという言葉でびっくりしたことがありました。

それは、神奈川県鶴巻温泉にある元湯陣屋の代表取締役 宮﨑 知子氏のインタビュー映像を見た時でした。

旅館業の女将さんが「EBITDA」という言葉を使って、自社の社員の待遇改善の説明をされていることに驚愕しました!

その時の話では「負債10億円、赤字の会社を陣屋コネクトという自社開発の情報共有システムを開発に取り組んで2年程度で黒字化した後、社員の給与を上げて待遇改善しましたが、EBITDAの指標からこれ以上給与を増やすことができないと判断して週休3日制を導入することにしました。」ということでした。

旅館の女将さんがEBITDAという言葉を使って社員の待遇改善に取り組んでいるなんて話は、はじめて聞いたのでとてもショックだったのです。

しかも女将さんは当たり前のように(笑)
時代は変わりました、経営はまさに科学の時代だということを実感させられました。

彼女はホームページの中でこう語っておられます。

元湯陣屋も、一時は償却前利益(EBITDA)で年間マイナス6000万円の大赤字という存続の危機に直面していましたが、「陣屋コネクト」を自社開発することで、サービス品質・生産性を向上させ、経営を数年で立て直しました。この「陣屋コネクト」を他の施設様にも役立てていただきたいという思いから、2012年より外販を開始。陣屋以外での活用法やご要望を吸収することで、「陣屋コネクト」は劇的に進化を遂げております。さらには、「陣屋コネクト」を通じた交流を発展させ、新たな地域共通のDXプラットフォーム「里山コネクト」「里山トラベル」事業も始動しています。

引用元:https://corp.jinya-connect.com/databox/data.php/about/code

このEBITDAは、 借入金や税金の影響を排除して比較することができ、減価償却の償却方法の違いの影響を排除することができるので、「社員の給与を上げたい」時に収益の経年比較をすることがとても容易にできることが特徴です。

EBITDAマージン=EBITDA÷売上高

EBITDAマージンは、規模の異なる企業の収益性の高低や事業でどれだけのキャッシュを生み出しているのかを比較することができますから、最近では中小企業のM&AにEBITDAがよく利用されるようになっています。

あなたも自社の財務分析にEBITDAについて学んでみてはいかがですか?
今までに見えていなかったものが見えてくるかもしれません。

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