3か月ごとにPDCAサイクルを回す

経営計画にとって大事なのは「時間軸」です。
というのは、適切な「ビジネスモデル」「販売・利益目標」「取引先別用営業方針」「営業コスト」などが設定できたとしても、その実現のために必要な「時間」が適切に設定されていなければ実現することができないからです。

あまりに短時間に実現しようとすれば、現場の負荷が高まってしまうかもしれませんし、あまりに長い時間がかかるようでは、ビジネスモデルが出来上がるまでにお金がショートしてしまうかもしれません。

そこで、まず3~5年を目途に「中短期経営計画」を策定することをお勧めします。
例えば、3年以内に取り引き先A社のシェアを41.7%にもっていく。
そして、会社全体の販売利益目標は〇〇万円に設定するというイメージです。

ここで重要なのは、この中短期計画を3ヶ月程度にブレークダウンすることです。
3ヶ月ごとに、シェア率を〇%上げるといった具合です。
その進捗状況を3ヶ月ごとにチェックして、もし未達であれば、その原因をゼロベースで検証します。

ビジネスモデルそのものに問題があるかもしれませんし、取引先別営業方針に問題があるのかもしれません。
あるいは、戦略に問題はないが現場のアクションが足りないのかもしれません。
場合によっては、目標設定そのものに無理があることが判明するかもしれません。
そして、必要であれば計画そのものを常に見直して行きます。

ちなみに、月次決算を導入している会社も多いと思うのですが、あまりにちょくちょく方針が変わるのもよくありません。
もちろん1ヶ月毎に予実管理を行うのは大切ですが、短期間で成果が出るわけではありませんから、状況分析を誤る可能性が高まるでしょう。

逆に、6ヶ月では間が開きすぎる。
社会状況の変化が激しい時代ですから、やはり3ヶ月ぐらいのスパンでPDCAサイクルを回すのが適当でしょう。

ここまでできれば、あなたは、きわめて実効性の高い経営計画を手にしているはずです。
それが、御社が生き残るための地図になります。
先行き不透明な時代を生き抜くための、頼れる一灯でもあります。

ただ、これだけでは足りません。
この戦略を実行する組織を作り上げるとともに、社長さん、あなたがエンジンとなって計画を遂行させなければならないのです。

出典
河辺よしろう著
『社長さん、税理士の言う通りにしていたら会社潰れますよ!』WAVE出版

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