スーパー店舗からeコマース専業施設へ転換「ダークストア」

資本力のあるスーパーが本格的に配達業務に参入する時代

コロナ禍の影響で相変わらず自粛した生活が日本の国民には強いられていますね。
アメリカやヨーロッパなどでは感染者数は日本の10倍くらいあるのにも関わらず、すでにマスク無し、飲食店の通常営業が戻ってきていますね。

改めて日本の政治力のなさに失望感を覚える一方、2020年度の日本の税収は大企業を中心に約5兆円余り増収していることを見ると、コロナ禍が影響した業績向上が企業から読み解くことができますね。

海外でも、既存のスーパー店舗からeコマース専業施設へ転換することが、小売業の新たなトレンドとして浮上してきています。
これらの施設は、消費者の来店は受け付けずに、住所も正式には公開されていないことから、「ダークストア」と呼ばれて、欧州や米国に広がっているようです。

こういったビジネスの潮流は一般化して日本でも将来的に見られる光景になると思われます。

しかも、その先陣を切っているのが「ホールフーズマーケット」というから気になりますね。

2017年にアマゾン傘下となった、米スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ」は、2020年9月にニューヨーク・ブルックリンで古い倉庫を改装したダークストアを開業したことから、他のスーパーチェーンでもeコマース専業施設を開業する動きが相次いでいるそうです。
この動向については、小売業だけでなく、物流業界や不動産業界にとってもビジネスチャンスが生まれています。

ダークストアの本質は、人口が数十万人以上の都市を1つの商圏と捉えて、生鮮品、食料品、日用雑貨、アパレルなどのオンライン注文を受け、当日または翌日までに配送するデリバリーサービスの拠点であり、物流業界では「マイクロフルフィルメントセンター(MFC)」と定義されています。

MFCは、500~2000平米の倉庫や空き店舗を活用した小規模サイズのeコマース専用の物流施設だが、AIやロボットを導入することで、少人数のスタッフで大量のオンライン注文を捌けるように設計されています。

このノウハウは、アマゾンからのもので「アマゾン+ホールフーズ」のシナジーが遺憾なく発揮されていますね。

アマゾンはなぜ1~2日以内に商品が届くのか?

アマゾンで買い物をすると、標準的な地域では1~2日以内に商品が届きます。
一方、楽天やヤフーショッピングに出店しているショップでは、短くとも3~4日後の到着になり、アマゾンとの間では大きな競争の差別化が生まれていますが、やはり莫大な投資を物流拠点の開発にしてきた大きな違いがあるからです。

日本にも21カ所あるアマゾンのフルフィルメントセンター(FC)では、メーカーや販売業者から仕入れた膨大な商品が“在庫”として保管されています。

倉庫内では独自開発された物流ラインが稼働しており、倉庫スタッフとロボットが協業しながら、年間4億点を超す商品の在庫管理~出荷作業をしています。

注文された商品をピッキングする作業は労働集約的ですが、同じ商品を倉庫内にストックする場合、1ヶ所に保管するとピッキングの移動距離が長くなり、ロスタイムが生じてしまうので、倉庫内の異なる棚に分散保管して、スタッフの現在地から最短距離にある在庫がナビゲートされる機能が構築されているのです。

アマゾンでは「家電製品」「キッチン用品」「事務用品」のように、カテゴリー別に保管場所を決めるのではなく、注文される確率が高い商品の組み合わせをAIが分析した上で、最短時間でピッキング作業ができるように保管位置が最適化されています。

アマゾン・フルフィルメントセンター紹介映像(ANN news)

アマゾンの商品管理~発送経路

フルフィルメントセンター(FC)
↓(全国21ヶ所)注文商品のピッキング、梱包
ディストリビュートセンター(DC)
↓(全国18ヶ所)梱包済みの商品を仕分け
宅配便業者
↓配送
商品の注文者

先ほどの「ダークストア」の「マイクロフルフィルメントセンター(MFC)」は、このノウハウを小さなものにしたもので、ピッキング→梱包された荷物は、提携する宅配便業者やデリバリー業者によって、近隣エリアの注文者に対して、最短で2時間以内に配送される仕組みになっています。
注文者が駐車場で商品を受け取れる「カーブサイド・ピックアップ」に対応しているケースもあるそうです。

ウォルマートでも、2019年にニューハンプシャー州セーラムの店舗に隣接した土地で、同社初のマイクロフルフィルメントセンター(MFC)を立ち上げて、生鮮食料品のオンライン販売モデルを運用し始め「Alphabot」というロボットによって、約1850平米ある倉庫内で立体的に組み上げられたラックの中からピッキングをして、スタッフが最終チェックをした後、自動梱包される仕組みでアマゾンに対抗しているそうです。

Walmart MFCの紹介映像

日本でも、生協などが以前からこの分野には積極的に取り組んできましたが、コロナ禍の影響で、イオンなどの大手スーパーを筆頭に様々なデリバリービジネスがスタートしています。

ちなみに、日本では既存の飲食店が出前を始める場合など、すでに食品営業許可を取得している店舗の場合は改めて許可を取る必要はありませんが、単体で飲食のデリバリー(食事を自宅や会社まで配達する事業)を始める場合は、一般の飲食店と同様に、保健所への「食品営業許可申請」が必要となりますのでご注意ください。

コロナ禍は大変な災難を日本にももたらしましたが、これまでにない新しいビジネスも続々と登場しており、新しい世界が広がっていることも間違いないのではないでしょうか?

参照JNEWS.COM

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