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1円をムダにしないコスト意識

起業したばかりの会社では人数も少なく、本当に使えるお金も限りがありますから、社員たちも何も言わなくても工夫をして無駄なコストを削減してくれます。
しかし、年月が経ち創業時の大変な思いを経験していない社員が増えてきたり、会社が大きくなっていく過程では、次第にコスト意識が低下し、ザルになっていく傾向が見受けられます。

私の場合、相当な数の倒産した会社の不動産の任意売却に携わった経験があるため、それらの会社にある一定の共通点があることに気が付きました。
売却を余儀なくされた不動産である事務所や経営者の自宅は、例外なく備品類は整頓されておらず、時代遅れになった在庫類が山のようにあります。
掃除も行き届いておらず、室内に小銭が落ちていたりします。

「倒産」というものは、赤字が原因というよりも、資金不足が決定打のはずです。
にもかかわらず、こういう会社や、そういう状況に陥ってしまった方の住宅に限って、ところどころに小銭がばらばらと落ちているのです。
ときには、住宅のバルコニーに薄汚れた5円玉や1円玉が落ちていたり、事務所のデスク内や
窓枠にも、小銭が残されたままの状態で放置されていることだってあります。
そのような場面に遭遇すると、お金を大切に扱っていなかった印象を強く受けます。
きっと、小さなお金でも粗末に扱うと、大きなお金にも嫌われてしまうのでしょう。
お金の大きさに関係なく、お金を粗末に扱う人(会社)からは、お金が逃げていくのも、当然といえば当然です。

そんな状況を常に目にしている私の会社では、備品類の調達はできる限り、リサイクルショップやディスカウントショップ、100円ショップと、アスクルやカウネットなどの通販と比較して、相対的に値打ち感のあるものを選ぶようにしています。
また、安いからと言って必要以上に備品の在庫を持たないようにも心がけています。

究極のコスト意識は、ミスコピーなど、裏面が白い紙類の再利用です。
個人情報などの情報が記載されているものはシュレッダーにかけますが、それ以外のものであれば、FAX受信用や、ふだん社外に出さないメモ的なコピー用紙として再利用しています。
カラープリンターなどから出たミスコピーは、コピー機を通すことで機械自体を壊すことにもつながるため、それらは切ってメモ帳にといった具合です。
ほとんどの業種でコピー用紙は頻繁に使うので、この方法が一番効果的でしょう。
また、そのコスト意識を継続させることにもつながります。

ときには、ゴミ箱に裏面が白い紙が入っている場合に「どうしてゴミ箱行きですか?」と拾い出し、社員にその理由を説明させることも大切です。
ザル意識はどんどんエスカレートして、それが積もり積もって莫大な「単なる喪失」につながってしまう危険性があるからです。

コピー用紙1枚の単価は1円未満の世界です。
金額としては最低レベルであるこの単位の無駄を意識すれば、そのコスト意識は、それ以上の単価のものにまで波及するはずです。

出典
小原 隆浩『コアラ社長の経営戦略』
週刊住宅新聞社

橋本美穂
河辺よしろう
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