世界で急速に進むEV自動車の普及で日本の自動車産業が変わる

先般、菅総理が、2030年代に日本ではガソリン車をゼロにして、新車販売をすべてEV車に変更することを示唆する発表がありました。

これは、燃焼エンジンの技術を持っている現在の日本の自動車産業界の構造とビジネスモデルを、ガラガラポンとしてしまうほどの変化をもたらします。

スポーツなどである、日本が強い競技のゲームのルールを根底から変えて、競争をゼロからはじめてしまうようなインパクトがあるということです。

現在、世界では14億台を超す自動車が保有されていて、その大半がガソリンや軽油を燃料としています。
世界の自動車業界では、年間の新車販売が1億台、400兆円を超す巨大な市場であるため、この市場の新しい市場占有率の図式が、これから海外主導でがらりと変えられてしまうことに、日本政府も追随することを意味します。

2030年以降は、世界中でエンジン車の販売を禁止する動きが加速していくことに合わせて、日本でも2030年代半ばまでに、国内の新車販売を、全て電動車に切り替える目標を立てるということです。

各国のエンジン新車販売の禁止時期(予定)

  • ノルウエー……………2025年
  • スウェーデン…………2030年
  • オランダ………………2030年
  • ドイツ…………………2030年
  • 英国……………………2030年
  • 米カリフォルニア州…2035年
  • フランス………………2040年
  • 中国……………………2040年
  • 日本…………2030年代半ば頃 ⇒このあやふやな感じが国際信用力に影響する(笑)

日本では、今のところ「電動車」にハイブリッド車も含める見通しですが、欧州や米国ではハイブリッド(HV)とプライグインハイブリッド車(PHEV)までを販売禁止の対象としています。
さらに都市によっては、既存のエンジン車もすべて乗り入れを禁止するという、厳しい規制方針を掲げようとしているのです。

50年ほど前からマッターホルンで有名なスイスのツェルマットでは、環境に配慮して村内では100%電気自動車で運用をしている実績もあります。

地球温暖化対策への取り組みで、2050年までには温暖化ガスの排出量をゼロにすることが国際的に求められていて、エンジン車の新車販売は2035年頃までに全面禁止として、電気自動車(EV)へシフトしていくことが不可欠だと考えられているが、新型コロナの影響により、前倒しで実行されていく可能性が高まっています。

その理由は、コロナ禍では多くの国で都市閉鎖が行われましたが、徐々に閉鎖が解除される中でも、安全な移動手段としてマイカーの利用者が増えており、コロナの流行前よりも温暖化に拍車をかけることになっているためです。

これからの10年では、内燃エンジンから電気自動車へのシフトは、乗用車とバスやトラックを含めて急速に起きることになり、国際エネルギー機関(IEA)によると、2019年の時点でEVの世界普及率は自動車台数の1%、新車売上高でも2.6%に過ぎませんでしたが、前年比では40%以上に伸びています。

自動車市場全体が伸び悩む中で、EVは消費者の購買意欲を刺激する新製品でもあり、今後は各国政府の補助金支援も受けながら、エンジン車からEVへの買い換え需要が喚起されていくことは間違いないと業界ではみられています。

日本でもEV購入の補助金は、1台あたり最大80万円に増額(現行は40万円)することが検討されているようです。

EV購入補助、最大80万円に 再生エネ充電で倍増―政府方針

それに伴い、EVの充電拠点を増やすことも一大事業になります。
つまり、新たなエネルギー産業としての新ビジネスと考えられており、今まで太陽光発電に注目が集まっていた分野が、恐らくここ数年でEVの充電拠点ビジネスに変わってくるでしょう。

EVの充電スタイルには、自宅で行う「基礎充電」と、移動先で行う「パブリック充電」とがありますが、EVが本格普及する時代には、EVユーザーの9割が自宅での基礎充電が必要と考え、さらにパブリック充電施設として250万基以上が必要になるという予測があるからです。

公共施設、病院、商業施設、コンビニなどに設置するパブリック充電用の設備は、現状では1基あたり200~250万円、複数台の設置で500万~1500万円の費用と、1ヶ月あたりの維持費(電気代やメンテナンス費)として月額20~30万円がかかりますが、かなりの補助金がでそうです。

しかし、そうはいっても新ビジネスですから、この事業をどのように黒字化していくのかということを、真剣に考える必要性が当然ありますね。

EVステーションの設置には、携帯電話の普及期と同様に大きなビジネスチャンスが潜んでおり、そこでどんな新事業が立ち上がってきているのかを、これから考える必要がありそうです!

新ランチェスター戦略経営実践会
河辺よしろう
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