コロナピボットで考えるこれからの事業の方向性

皆様は「コロナピボット」というキーワードを知っていますか?
ポストコロナの時代に求められる、事業への方向転換を意味しています。

コロナ禍で今後活用される基幹テクノロジーといわれているのが、下記のような分野です。

  • ビデオストリーミング
  • リモートカメラ(遠隔監視)
  • オンライン決済
  • 人工知能(AI)
  • クラウドコンピューティング
  • VR / AR
  • 5G通信
  • IoTネットワーク
  • ブロックチェーン

なんとなく分かるものと、よく分からないものが存在しますね。

市場調査会社の「Wizer Feedback」が、100社以上のベンチャーキャピタルを対象に行った調査(2020年3月)によりますと、回答社の半数以上が新規の投資を全面的に控えるか半減すると回答しており、少なくとも1年間は続くといわれています。
その一方で、感染対策に役立つイノベーションや新たな生活様式を支援するサービスには、投資資金が集まりやすくなっている傾向も、はっきりしてきています。

アナログだけではなく、コロナの感染対策として外出を控える中で生活必需品の調達は定期的に行う必要があるため、海外ではその都度買い物に出かけなくても、食品や日用品を定期購買できるサービスが登場して人気のようです。

英国スーパーマーケットチェーンのAldi(アルディ)では、「Food parcel box」という宅配サービスを4月17日から開始しています。
このボックスには、ロールパン、パスタ、米、各種スープの缶詰、チョコレート、コーヒー、お茶、トイレットペーパー、除菌スプレーなど、22種類の食品と家庭用品が詰め合わされていて、自宅の玄関前まで非接触で配達される仕組みになっているサービスです。

価格は配達料を含めて24.99ポンド(約3,400円)の設定で、注文の受付はオンラインのみとなっているそうで、日本でいう緊急避難セットを宅配するようなサービスですね。

できるだけ外出を控えたい消費者にとっては、混雑したスーパー店舗に並ぶ必要が無く、買い物代行サービスを利用するよりも安価で済みますが、食品を買う楽しみというのがまったくないので、日本だとやっぱり注文、配達という流れになるのでしょうね。

家で食べるものにしても、やはり色々置いているスーパーへ行って、生鮮食品などを見て「これが食べたいな~」なんて悩みながら買うのが一番楽しいですよね。

しかし、店側にとっては事前に設定した品揃えで宅配ボックスを作れるため、個別のオンライン注文よりも物流作業の効率化を図ることができるというメリットはあります。

配達は即日発送ではなく、注文の混雑状況によって3~10日以内と余裕を持たせてあるため、実質的な梱包から配達にかかるコストは5ポンド相当(約670円)に抑えられているとのことで、現実に考えるとこのパターンで買いたいのは「保存食」のカテゴリーですね。
Aldi Food Parcel box

最新のテクノロジーの分野はこれから成長することは間違いないでしょうが、アナログの分野も、このコロナ禍の影響で色々な工夫をしたサービスや商品が登場することでしょう。

これはある意味、どの会社にとっても「ビジネスモデル」の転換期になっていくことが予想されるということです。
それは、クライアントに提供するものだけではなく、営業の仕方であったり、仕事のやり方であったりとさまざまなところで大きく変化していくでしょう。

その一方で、外出自粛により輸入食材よりも高品質を目指すことで付加価値を高めてきた日本の食品分野でも、変化が起きています。
高級食材は、ホテルや高級レストランなどの外食産業への販売がメインです。
しかし、自粛営業や休業する店舗が増えたことに加え、客足が戻っていないこともあり、高級食材の取引相場は大幅に下落しています。

国産和牛の卸取引価格を参考にしてみると、最上級A5ランクの和牛は、2019年12月には3100円台で取引されていたのが、2020年4月は1900円台にまで暴落しています。

価格下落の要因は、外食需要が停滞していること、外国人観光客の激減、休日や連休などの需要も見込めないことが考えられます。

牛肉の消費シェアは、家庭消費が3割、外食業界が6割、工用が1割となっていることから、他の生鮮食品よりもコロナ不況の影響を受けやすいという側面はありますね。

A5国産和牛の卸価格推移

  • 2018年12月……3,427円/kg
  • 2019年12月……3,145円/kg
  • 2020年 1月……2,785円/kg
  • 2020年 2月……2,817円/kg
  • 2020年 3月……2,612円/kg
  • 2020年 4月……1,961円/kg

出所:東京食肉市場

水産物についても、本マグロ、ウニ、ノドグロ、クルマエビ、アオリイカなど、寿司ネタとして使われる高級食材を中心に、卸市場での取引量と取引価格は下落しているそうです。
東京都卸売市場の取引状況をみても、高級水産物の需要は取引量で1~2割、取引金額ベースでは2~4割近く減少しているとのことです。

東京水産卸市場の取引状況(金額ベース)

鮮魚 活魚
2018年3月 134.3億円 20.5億円
2019年3月 126.9億円 16.5億円
2020年3月 106.3億円 11.3億円

出所:東京都中央卸売市場

コロナ禍だからと言って高級食材の低迷は、それだけが原因なのでしょうか?

ここ数年のスパンでみても、客単価が高い高級レストランや日本料理店は、接待需要や家族連れの来店数が減少しており、外国人観光客のインバウンド需要に依存してきた面がかなり大きいですよね。

そこにコロナが追い打ちをかけている状況で、高級食材の販売手法や流通ルートを変革していくには、ちょうど良いタイミングになるかもしれない。

逆にいえば市況価格が低迷するのであれば、それをチャンスに変えるビジネスモデルチェンジも、アイディアがいろいろ出てくるのではないでしょうか?

ピンチはチャンスといいますが、「ピンチの時は投資!」が私の信条です。
コロナ禍でピンチの時こそ、次世代のビジネスのために、助成金でキャッシュの多くなった今こそ投資を考えてみませんか?

参照:JNEWS

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