外出は最低限に、ショッピングの楽しみは最大に
外出自粛宣言が解禁されましたが、新型コロナ対策の外出自粛要請によって店舗や商業施設は来店者数が軒並み減少し、ここからどう日常に戻していくのかということが、課題として具体的に見えてきましたね。
中国ではコロナ・ショックによって、2020年2月の新車販売台数が80%減少しましたが、これまで「マイカーは不要」とする考えを抱いていた、20~30代前半の若い消費者の中で、コロナを転機として「マイカー所有」に前向きな価値観へと変化しているというアンケート結果もあるようです。
ただ、このアンケート結果は世界90ヶ国を対象とした市場調査会社の「Ipsos(イププソス)」が、2020年2月末に中国の消費者に行った調査からですが分母がたった1620名なので、ほんとうにそうなのか、中国での市場性の回復を宣伝したいための調査なのかははっきりしませんが、自動車を所有していない消費者の中で、自分や家族のためのマイカー購入の必要性を感じている人は、コロナ前と比較して増えていることは十分に可能性のあることですね。
しかし日本の場合、特に都心部では生活を満員電車の生活から車への生活に変えるなんてことは非現実的ですし、今回のコロナ・ショックによって車の売上が伸びることは期待できません。
すでに、都心部では満員電車での通勤が日々戻りつつある中で、逆に将来不安から車の買い替えを延期したりして貯蓄に回す人も増えそうな気配もあります。
車の販売業界では、コロナの前の段階で、すでに日本では全国のディーラーの赤字が問題となっていました。
現行の自動車ディーラーでは約3割が赤字経営といわれていて、恐らくディーラーの統廃合がコロナ・ショックの影響もあり秋以降に加速するとみられています。
一方、国内の百貨店の状況から日本百貨店協会が集計した全国百貨店(203店舗)、2020年4月の売上高を見てみますと、前年同月比でマイナス72.8%。
商品別にみても、すべてのカテゴリーでマイナスという壊滅的な打撃を受けている現実があります。
日本の老舗アパレル「レナウンの倒産」もコロナ・ショックによる百貨店などのテナント店舗の売上減少による影響によるものでしたが、直接の引き金となったのは株主である中国企業の香港にある子会社からの債権回収が滞ったためでした。
全国百貨店の売上高推移(2020年4月)
(前年同月との比較)
- 紳士服………………▲84.3%
- 婦人服………………▲87.0%
- 子供服………………▲58.5%
- 化粧品………………▲81.3%
- 宝飾貴金属…………▲80.0%
- 家具…………………▲46.5%
- 家電製品……………▲16.6%
- 生鮮食品……………▲31.6%
- 菓子類………………▲66.6%
- 惣菜…………………▲55.5%
- レストラン喫茶……▲89.9%
※出所:日本百貨店協会
今回のコロナ・ショックによるアメリカの雇用の状況を見てみましょう。
米国労働統計局が発表した雇用統計によりますと、2020年4月の失業者数は1ヶ月間で1,590万人増加して、2,310万人となったそうです。
労働者全体の失業率は14.7%で、1948年以降で最悪の状況となっています。
3月から4月の1ヶ月間で、失業者が最も増加したのは、レジャー、ホスピタリティ(接客)業界の765万人、次いで小売業の210万人だが、医療ヘルスケアの業界でも、208万人の失業者増。
医療ヘルスケア業界の失業者が増えているのは、コロナ治療にあたる医療機関以外のクリニックでは、感染リスクを恐れて通院患者が激減しているためのようです。
日本でいうところのエステサロンやマッサージといったところでしょうか。
今後の消費生活とはどんなものになってくるのでしょう?
withコロナの生活では、ネットを入り口としたリアル店舗との連携が営業の最優先課題になってきます。
不要不急の外出を控えて飲食店に出掛けるのもショッピングをする場合も、できるだけ無駄な回遊を避けたいからです。
そうなると、買いたいものや店舗、飲食店など店の情報を今以上に詳しく把握した上で、来店すべき店を決める行為がさらに増えてきそうですね。
ローカル検索からの集客ルートとして最も有効なのが「Googleマイビジネス(GMB)」で、とくに国内ではローカル店舗でも、Googleの検索対策はこれまで以上に重要になりますね。
すでに多くの方が頻繁に利用されていると思いますが、マップと連動したGoogleマイビジネスに登録している店舗の一覧がローカルで表示されるため、GMBを有効活用するのと、未活用の店舗では、当然ネット経由の集客力で大きな差が出てきたりします。
GMBからの集客力を高めるには、写真の投稿数を増やすことが有効であることが分かっています。
100枚以上の写真を掲載しているローカル事業者は、掲載数が10枚未満の事業者と比べて、ウェブサイトへのアクセスや予約注文などのアクションが10倍以上高いことも明らかになっているそうです。
GMB写真掲載数とアクション数の関係
- 写真掲載が1枚……………19件/月
- 写真掲載が2~5枚………33件/月
- 写真掲載が6~10枚………47件/月
- 写真掲載が11~25枚………74件/月
- 写真掲載が26~50枚………112件/月
- 写真掲載が51~100枚…… 193件/月
- 写真掲載が101枚以上…… 810件/月
※出所:BrightLocal
しかし、withコロナの時代には、画像や映像での情報提供が加速度的に広がっていますね。
とくに注目なのが、TourMAKEやViewMAKEといったGoogleのストリートビューに直接公開することができたり、ホットスポットやインタラクティブなポイントでバーチャルツアーをできるようにして、提供する製品やサービスの説明をすることができるネット上のサービスです。
スマートフォンでバーチャルツアーが作成できるという気軽さから、ホテル、レストランから車のディーラーまで幅広く利用されており、レストランなどではバーチャルツアーすることで事前に好きな座席の予約も可能になり、消費者にとっては無駄のない視覚的な情報提供となっています。
はっきりといえるのは、これからの世界ではアナログのビジネスに、AIやSNSによる間口を広げることで、今までにない新しいチャンスをつかむことができる社会になっていくということ。
逆にそこに踏み込めない会社は、あまり長生きができない世の中になってくるでしょう。
あなたの会社はデジタル営業をこれからどうやって構築していきますか?
≪参照:JNEWS.COM≫