マーケティングの意味を理解して営業しよう

書店のビジネス書コーナーに行くと、「マーケティング」の本がたくさん並んでいます。
経営学の講座のある大学では、必ずマーケティングの学科があります。
経営セミナーの講師は「マーケティング、マーケティング」とやたらに連発しています。

これが原因なのか、営業会議などでもマーケティングという言葉が何度も出てきますね。
これが大いに怪しいのです。

かなり怪しい部分は、マーケティングを構成する「中心的な要因」がはっきりしていないことです。

アメリカで出版された翻訳本を読むと、
「マーケティングは商品の決定、価格の決定、業界や客層の決定、営業チャンネルの決定、営業方法の決定にある」
という部分は確かに説明されてます。
しかし、どこの地域を重点地域にし、その最大範囲をどこまでにするかという「営業地域の決定方法」はまったく書かれていません。

戦争を例にとって考えてみましょう。

戦争では、兵器や食料の補給力がとても大事になってきます。
兵器や食料を輸送する場合、人手と経費がかなりかさむので戦費を著しく消耗します。
ナポレオンが敗れたのも、ヒットラーが敗れたのも、日本軍が大敗したのも、もとはといえば戦場を広げすぎたために戦力が分散し、補給のための経費がかさんだことが原因で全体の戦力が低下してしまったからです。

戦争をする場合は、まず戦場の情報をしっかりと集め、次に補給のやり方を細心の注意を払って検討しなければなりません。
そのうえで、どこを中心の戦場にし、戦場の範囲をどこまで広げるかを慎重に決めるのです。

経営でも、まったく同じことが言えます。
たとえば、訪問型の業種では販売係の人件費がとても割高につきます。
さらに商品の配送費や集金費、それにアフターサービス費も必要になります。

アメリカから入ってきたマーケティングには、どういうわけか、こうした地域の決め方が大事な要因として入ってないのです。
お国柄による違いなのか、広大すぎる土地ゆえなのか、なんとも不思議な気がします。

マーケティングに関しては、怪しい部分がまだまだあります。
まず、営業に関する組織の作り方が入っていません。
販売戦術を入れるかどうかも、はっきりしていないようです。
ある人は、販売戦術を含めてマーケティングと言ったり、別の人は販売戦術を除外してマーケティングと言ったりしています。
販売戦術が入るのと入らないのとでは、マーケティング全体が大きく変わってしまうというのにです。
ひどい人になると、経営全体のことをマーケティングと拡大解釈している人もいるくらいです。

マーケティングを構成する要因の「ウェイト付け」がされていないこともあります。
大事な要因のウェイト付けがされてないと、どれが最も大事で、次に大事なのは何かというのがわからなくなってしまいます。
人員の配分や予算の配分が総花主義になったり、逆にウェイトが低いところに多くの予算を配分してしまったりすることになりかねません。
当然業績は良くならないでしょう。

決定的に怪しいものがあります。
それは競争条件が最も有利な一位の会社が使う「強者のマーケティング戦略」と、それ以外の会社が使わなければならない「弱者のマーケティング戦略」の区別がつけられていないことにあります。
マーケティングは戦略と同じくらい多く出てくる用語でしょうが、2つの違いの理解なくしてマーケティングを語るのは危険です。

しかし現実は、マーケティングの全体構造や構成要因がはっきりしないばかりか、強者と弱者2種類の戦略があることもはっきりさせないままマーケティングが叫ばれています。

これでは話を聞くあなたも混乱するばかりですから、大金をはたいてセミナーに参加しても全く役に立たないのです。

橋本美穂
河辺よしろう
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