目的意識を持たなければ意味がない
ブログで集客する努力は報われるか?
皆様の中にも、現在ブログを毎日書かれている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
中にはブログを見ていた人が現実の世界で仕事を発注したとか、ブログから出版の依頼が来た人など、いろいろな方もいらっしゃいます。
しかし多くの人は時間と労力を使った割にはブログからの効果を感じられず、ブログを何のためにしなければいけないのか悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
ブログでどうやってアクセス数を増やすかとか、ブログでどうやって人とつながるべきなのかということは、今回のテーマではないので詳しくは触れませんが、現実にブログだけで利益をあげている中小企業は非常に少ないのではないでしょうか。
現実、私の周りの経営者、特に二代目の経営者に多いパターンですが、日常業務としてブログに大変な労力やエネルギーを投入しているような場合もよく見かけます。
しかし、オリジナルのコンテンツと言われるしっかりとした情報を自分なりに発信している人というと大変少ないのが現実です。
何のため、誰のためにブログを発信しているのか、よくわかってないのです。
ビジネスモデルのないブログ社長とコンサルタント
ある人材派遣会社の二代目の方で、ネットが大好きな方がいらっしゃいます。
その方は毎日、日常業務を社員に任せてネット集客をするという大義名分(?)の下、本業のために集客をするどころか、社員から見れば何のためにネット集客を来る日も来る日もしているのかわからないような状態になっていました。
とはいうものの、なかなか実行力がある人だったので、経営者向けのセミナーや自分が得意なブログに関するセミナーなどをブログなどで集客して開催していました。
会う人会う人、名刺交換をした人をツイッターのフォロワーにしたりしていたのでフォロワーだけでも6000人くらいになって、セミナーまでブログなどで集客して自主開催してしまいました。
しかし、この二代目の方がネットで集客を掛けたセミナーから自社の利益を上げることはありませんでした。
本業である派遣事業の急激な縮小などが直撃して会社は大変な状態でしたが、この二代目の経営者は我関せずでバーチャルなネットの中だけで活動を続けていました。
その後、彼がどのような人生を送ることになったのかは皆様のご想像にお任せしますが、どんなに彼がブログで人を集客したところで、彼の会社には全くお金が入ってこなかったという現実だけが残ってしまったのです。
この原因は明らかに、いったい誰がお客様で、どんなビジネスモデルで、商品は何を売るのか、ということがはっきりしていなかったことです。
ただ人数を集めるだけであるとか、人数が多いだけという集団があったとしても彼はそこでお金を稼ぐことはまったくできなかったわけです。
これはネットの世界ではありませんが、実際にあった話で、介護施設のコンサルティングをしている人で、その方は介護ヘルパーなどの教育を行う学校まで運営をしていらっしゃいました。
ある日この方が相談に来られて話を聞いてびっくりしてしまいました。
それは彼自身のセミナーなどで「赤字経営からの脱却!」などというテーマで多くの介護施設の経営者に対して行っていたのですが、赤字脱却をテーマに講演をやっている本人が相当な赤字で、自己破産をしなければならないかもしれないという相談だったからです。
先ほどの二代目経営者の方も、ブログセミナーを自主開催して「ブログで儲ける方法」なんていうテーマでレクチャーしていることと非常に似ています。
この二人の共通点は、何を、どこで、だれに、どうやって売るのかという事業の原点であるビジネスモデルが何もないまま集客だけして、とにかく人数を集めれば何か事業に繋がるだろうという考えだったところです。
つまり、行動の目的意識がまったくなかったわけです。
デジタルとアナログは表裏一体
このブログ社長とコンサルタントの例は、ブログ云々という前に事業の基本を考え直さなければいけない事例ですが、ネットの世界にはたいへん多く存在します。
楽天市場の例を見てみましょう。
楽天市場では、ネット上で資料請求をすると必ず電話で連絡が来ます。
また「30分ルール」というのがあって、問い合わせがあってから30分以内に必ずお客様にリアクションをとるというものです。
これは楽天のビジネスモデルは、楽天市場に出店してもらうために、問い合わせのあったお客様に出店してもらうための疑問や質問、内容の詳細などをできるだけしっかり伝えようという考え方が、顧客対応に表れているだけのことです。
しかし前述の二代目経営者などはネット上で人を集めることが目的になってしまっていてその集まった人たちに何を提供してその対価としてどうやってお金をいただくかということがないから、自社の利益にはまったく結びつかなかったわけです。
ビジネスモデルをしっかりとホームページやブログに織り込む
3月に岐阜でセミナー講師を務めてくださった株式会社ちらし屋ドットコムの河田真二社長は、すばらしく集客できる会社のブランディングでホームページ制作実績を10年以上積み上げられております。
この会社、ホームページ制作を依頼してきた場合、お客様とのアナログの面会を大変重視しています。
社長の河田真二氏の座右の銘は「アナデジ」です。
現在、会社のブランディングをブログやホームページで積極的に取り組んでいる社長も多いと思いますが、まずは誰に対してどんなことを発信したいのかということと、その人たちに対して情報を発信することが自社の経営にとってどんな目的や意味合いを持つのかをしっかりと考えて、ブログやホームページを作りこんでいただきたいと思います。
河田氏のもとに持ち込まれる相談の多くは、ホームページを作ってみたものの、まったく営業的には役に立たず、どうしたらアクセスが増えて売り上げに結び付くかという内容がほとんどだそうです。
実際に悩んでいる社長の話を聞くと、その会社のビジネスモデル、商品の差別化、サービスの差別化があいまいで、ホームページでその会社の製品を選ばなければいけない理由がはっきりとしていないことが多いようです。
しかし、単純になんとなくホームページを作るか変えるかすれば売れるというものではありません。
ホームページやブログを作る前に、やるべきことがあると河田社長はおっしゃいます。
それはまず、その会社のビジネスモデルがどうなっているのかということであるとか、販売するためのプロセスがどうなっているのかとか、そもそも誰のためにどんな目的でホームページを作るのか、という事を決めることで、これは非常に重要です。
ブログもホームページも、アナログの営業活動から考えて、取り組むことの目的や氏名などをしっかり決めたうえで取り組まないと、いくらお金と労力をかけても無駄になってしまいます。