2020年は、社員が仲間になって一緒に働きたくなる会社が伸びる年

2019年も残すところ後わずかに迫ってきましたね。
あなたにとって、どんな実りのある1年だったでしょうか?

経営者からみた2019年のイベントで、今後大きな影響が出そうなところといえば、やっぱり4月に始まった「働き方改革」。

会社の規模に関係なく、被雇用者側の権利がだんだんと声と共に大きくなってきています。
中小企業に勤めている社員さん、それからパートやアルバイトさんにも「働く環境の改善」が、さらに求められていく時代が始まりました。

すでに海外では、パートタイム労働者が組合活動を起こす動きが出てきています。

最近増えてきたのが、大学に雇用されているパートタイム教員が集まり組合を作る動きです。
米国では、学費の免除を受けている大学院生でありながら、講師や補助教員、研究助手の仕事をしている立場の人がじつに多いのです。

これらの背景から、労働者でありながらも、立場的には「学生」という解釈をされ、安い給料で働き、福利厚生も無いなどの問題が平常化してしまっていました。

それに対して、米政府機関の労働関係委員会(NLRB)は2016年に、「大学院生助手は従業員である」という正式見解を出したことで、各大学の大学院生による労働組合が結成される動きが増えてきました。

つまり、学生という身分(つまり修業中だから)で働く、学内の大学院生が組合結成についての投票を行い、過半数以上の賛成票が集まれば、「正式な労働組合」とNLRBより認定され、大学側と団体交渉ができる権利が認められるようになったわけです。

私の実兄が現役の大学教授であることもあり、そのあたりの事情については確かに厳しさを感じています。

グーグルでは、労働組合は組成されていませんが、SNS時代らしく「#MeToo」のハッシュドタグを付けた抗議行動をSNSで起こし、世界中のグーグル社員に拡散していきました。

昔とは違い、会社側が労働組合の組成を抑圧したとしても、社員の不満が蓄積すれば、社員は団体行動を起こせるのが現在の大きな特徴でもあります。

労働者の新たなムーブメントとして、しっかりと時代の動きを見極めていく必要があるでしょう。

最近、岐阜県羽島市にあるアメリカ発祥の会員制量販店「コストコ・ホールセール」の時給が近隣地域の時給を大きく上回っていて「外資系の方が日本経済に貢献している」と話題になりました。

コストコの時給はポジションによって分かれますが、最低でも1,200円。

深夜、祝日出勤などになると1,500円~1,600円まで跳ね上がるということで、岐阜労働局が発表している県最低賃金746円を1.6倍も上回る「好待遇」になっているらしい。

このコストコに対して、近隣の大型チェーンストアは900円程度まで上がり、日曜、祭日勤務は100円上がるところまで対応してきている。
しかし、コストコの時給には遠く及んでいないのが実態です。

私がこの記事をFacebookに上げると、日本在住のオーストラリア人の方からコメントが寄せられ「時給1,200円もらっても奴隷のように働かされて、人が
働ける環境ではない!」と意見がありました。
そういえば、Amazonでも、これと似たようなことがありましたよね。

実際にコストコが地獄のような職務かどうかは、私には分かりません。
働く人の選択肢が地方で広がることは、よいことだと思うのですが。

本当の「働き方改革」とは、過酷な労働環境を強いられている人に、手を差し伸べるという意味では必要だとは思いますが、私見としていえば「働く人の選択肢を広げる」ことになれば良いのでは?と考えます。

過酷に働いてお金を人よりもたくさん貯めたい人だって、きっといるのではないでしょうか? 実際、私はそんなタイプでした。

これからは「同じ労働時間でどれくらい多くの給料を払えるのか?」というホワイトカラーも含めた生産性向上をテーマにした会社経営をしていかないと厳しい時代となりそうですね。

ビジネスの根本的な現状構造を見直し、売上、原価、粗利益をベースに「自社のビジネスは今、どんな構造になっているのか?」をチェックすることをお勧めします。

払える給料を増やしていこうと考えると、そういった根本的な部分から見直し、次世代の「儲けの柱」を作っていくことが重要です。

今後は「人を採用できる会社」「人を引き付けることができる会社」がさらに注目される年になるでしょう!

社員もそうですが、これからあなたの会社に入社をする候補者は、以下の3つのポイントがない会社には魅力を感じないどころか、グーグルのようにならなくても、長く働いてくれることは難しいでしょう。

新ビジネスにチャレンジしている会社や、成長している人に活力を与えられる(労働条件、福利厚生、教育等)時代にあった仕組みというものがあります。

今年と同じ事を続けているだけでは、会社を成長させることはできません。

来年は素敵な会社にするために。そして、社員の満足度を高めるためにも、自社のビジネスモデル・チェックをしてぜひみてくださいね。

そして最後に、今年1年本当にありがとうございました!

厳しい経営環境が続いておりますが、来年もあなたにとって明るい未来が見える1年になりますように。

また来年もあなたと共に成長をさせて頂けるよう、色々チャレンジをしていきますので、宜しくお願い致します!

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