激動の台北からパリへ 海外出張で見えてくるもの

私は先週から台湾の台北に滞在し、その後フランスのパリに仕事で滞在しています。

今、中国との関係性で大きく揺らいでいる台湾は、第2、第3の香港になるのではないかとという懸念が世界的に広がっているなか、台湾の経済状況を色々と見ることができました。

その上でパリに滞在してみると、世界の動きというものが色々と見えてきます。

日本でも、最近はAIなど、話題にのぼることも多くなってきましたが、重要な点はそれが私たちの生活にどのように変化をもたらすかという1点です。

まずは海外に滞在するときに、現地通貨をもつ必要がなくなったことです。

今回は、台湾で現地の通貨に両替をする必要はまったくありませんでした。

すべてクレジットカードで済ませました。

しかし、パリのようにチップが必要となる場所では、実際現金をもっている方が便利です。

海外では町での募金が、スマホ決済やカード払い等で簡単にできるようになり、それが一般的になってきました。しかし、さすがにチップはちょっとした場面でキャッシュがあった方がスマートですね。

日本も遅れているという金融の分野でも、新興の決済代行会社の台頭で少しずつ変わりつつありますが、日本はやはりスピード感にかけるという印象が否めません。

これもやはり、官僚主導の縦割り既得利権系の弊害でしょうか?

ランチェスター戦略でいう「商品戦略」というものが、政治的な軋轢でなかなか進化しない日本の状況は、世界の国から大きく後れをとっていく要因になります。

日本はすでに、先進国として世界をリードできる国では、なくなっています。

GDPだけで見れば、日本は2018年の購買調整後の数値が世界第28位。
日本の一人当たりのGDPは、4万4227ドル。

しかしドイツは5万2259ドル、日本より低いのはスペイン、イタリア、韓国くらいで、日本のGDPが高く見えるのは、ドイツやイギリスなどに対して相対的に人口が多いからだけなんです。

こんな状況のなか、日本の政治家の皆さんはまったく「日本の国際競争力」というものに、危機感を持っていないようなのが、とても心配です。

少し生活感のある話になってしまいますが、パリに滞在していて一番便利なのが、バスの中についている「USB充電機」です。

バスを降りるときに押すボタンの近くに2穴でついていて、携帯のUSBを挿すと実際に充電可能です。

15分ほどバスに乗る時でも意外と助かります。

日本がこれから進歩していくためには、AIの技術や新しい金融の利便性というものを高めていかなければいけないことは事実です。

そこでランチェスター的にいえば、AIや金融の利便性が「私たちの生活にどう役立つか」、これだけです。

新しいサービスや利便性の将来を予測することも大切ですが、会社としては具体的にそれらを活用して、自社の商品やサービスをどう新しくできるのかという点から見ていくことが、成長戦略の入口になるでしょう。

日本は国としての国際競争力をどうつけるのか?

会社は市場での競争力をどう構築するのか?

ここを曖昧にしていては、どちらも立ち行かなくなるでしょう。

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