20年かけてアメリカ市場を開拓した会社の時間感覚と海外進出の勘どころ

時間の過ぎていく速さは、容赦なく襲い掛かってきますね。
まさにTime is Moneyですね。

以前、ランチェスター倶楽部でも講演をして頂いた、ワタミ・渡邉美樹社長の元側近の方にお聞きした話ですが、渡邉社長は東京から新幹線に乗るときに、乗車時間から計算して睡眠を何分、読書を何分、思考を何分、食事を何分といった具合にスケジュールをがっちり決めていらっしゃるそうですね。

とても私のような凡人には、できる生活ではありません(笑)

先日も、20年をかけてアメリカ市場を開拓した、地方都市にある中小企業の会長さんのお話をお聞きしましたら、時間について興味深いことをおっしゃっていました。

「時計で動いている自然の時間は平等に与えられているが、個人が生きている人生の時間の感じ方には、大きな感覚の違いがある」

彼は、20年間をかけて会社の売上の約40%超を、現在アメリカ市場で稼いでいらっしゃいますが、黒字になったのはまだ数年前とのこと。

社員や金融機関から散々罵詈雑言を言われながらも、赤字の時代は毎年約5千万円、20年間で約10億円を市場開拓のために費やしていたそうです。

しかし、20年での10億円は彼にとっては「あっ」という間だったそうです。
まさに、「光陰矢の如し」ですね。

なにもしない時間の流れと、必死に取り組んでいる時間の流れでは、間違いなく時間の体感速度が違います。

会社経営でもそうですが、「目的」や「目標」が明確な会社は計画作りも上手なうえに、時間の経つことを周りの人よりもずっと早く感じるのでしょうね。

その会長さんから聞いた話ですが、最近「海外進出」に関わる相談が多いそうで、彼はいつもこう答えるそうです。

「あなたの会社の業績が今、絶好調であれば海外市場への投資をしなさい。でも、もし国内の業績が下がり始めていて、これから海外の市場に打って出ようと考えているのであれば、絶対に反対です。」

時間の過ぎる体感速度は人それぞれにずいぶんと違いますが、事業進出をする機会の時間感覚は、経営者にとってとても重要だとおっしゃっていらっしゃいました。

つまり、事業では本業がおかしくなってからどうにかしようと取り組んでも、遅きに失するということですね。

経営者は時間との付き合い方を、もう一度見直してみることはとても大切ですね。

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