経営計画を作成するのに過去の決算書は必要?

京都の芸術大学で学生をしているので、お陰様で最近は、京都で一日芸術の勉強をしながらゆっくり思考する時間が増えました。
自分の時間をゆっくりもって色々考え事をすることは、とても良いですね。

今回、ちょっと考えてみたのが「中小企業の経営計画の作り方」。

多くの場合、過去の決算書を3期分くらい用意して、来期以降の経営計画をつくるイメージを持っている社長さんが、多いのではないでしょうか?
しかしながら、私がいつもお付き合いをしているアメリカやシンガポールのベンチャー企業など、外国の成長企業と経営計画を作成する際に、過去の決算書はほとんど話しに出てきません。

この違いは、いったいなんでしょうか?

当然、長年経営をしてきている会社であれば「財務課題」は何年かけて改善するかという視点は大切ですが、長年掛けて存在している財務課題は、それまでの社長の置き土産。→自分のしてきたことも含めて

取り組まなければいけないことは、それこそ税理士さんに聞けば3分程度で分かります。
逆に、それで答えが出ない人なら、考えた方がいいですね。

財務課題の中で、もっとも多いのは「借金の返済」です。
それは、つまり「自己資本比率の低さ」など安定経営においては、とても見過ごすことのできない「借金返済計画」を考えなければならない場合もありますね。

でも、よく考えてもらいたいのですが「なぜ、そんなに借金が増えて、毎月の返済金額がこんなに増加してしまったのか?」という視点です。
貸借対照表は、会社を設立してからの会社の資産の状態が分かります。
損益計算書は、現在のビジネスモデルが分かります。

多くの場合、借金返済で毎月の返済額負担が多いのは「儲からないビジネスに一生懸命取り組んで、運転資金として金融機関からお金を借りるから」です
つまり麻薬患者みたいなものですね。

この状態は金融機関にしてみれば「お得意様」としてとても良い状態ですが、普段の儲けの少ない会社においては、永遠の螺旋地獄のような状態です。

借入をすることについて、私は「賛成」ですが、重要なことは以下の点です。

  1. 何の目的で借りるのか?
    →もし運転資金であれば資金需要として毎月短期でどれくらい必要
  2. 借入の総額が、自社の年間利益の実態値の中に占める割合は、どこまでにするのか?
  3. 毎月の返済額の上限は設けているのか?
  4. 現在の利益で完済できる期間はどれくらいか?
  5. 戦略的に金融機関と付き合っているか?

流れとしては・・・

「財務分析による財務課題の明確化」

「財務課題に対する具体的な取り組む改善策」

「成長戦略の検討」

「経営計画の策定」

成長する企業は財務課題の課題は明確にしつつも、経営計画は『成長戦略の構築』についての話しが中心。
これから取り組むことが決まれば、数字の計画は1時間もあれば簡単にできること。

問題は、「なにに取り組んで会社を成長させるか?」ということ。

それは、竹田ランチェスター戦略では、まずは商品戦略、地域戦略、業界・客層戦略が入口になります。
それが決まらないと、営業戦略としてのどう売るかが見えてこないからです。

ですから、経営計画を作る前段階で絶対に必要なものが、営業戦略を数値化した営業資料です。

よく、高額なコンサルタントのセミナーで、過去の決算書を3年分くらい持ち寄って、来年の経営計画をホテルに缶詰になって2日くらいで作りましょう的なことをやっている会社さんがありますが、あまり将来的に意味がある結果になることはないでしょう。

経営計画を作成するなら、3年分の過去の営業資料持参じゃないと、どうやって成長戦略を作れるのか不思議。

しかし多くの零細、中小企業にはちゃんとした営業資料が存在しないという現実が存在します。

毎月の売上がのっている資料を持ってきて営業資料としてしまっているので、売上が上がった、下がったしか分からない。

経営計画を作成するのであれば、まずはしっかりとした営業分析ができるための自社に重要なKPIを測定しましょう。

自社にとって顧客関連で重要なKPIを決めることからスタートです。

ある県で、一般住宅着工件数ダントツ一位を続ける企業さんの、新規出店の経営計画作成のお手伝いをさせて頂いておりますが、数字の作成は約2時間(笑)。
しかし、その数字の根拠を積み上げるのに、30時間以上コンサルティングで費やしています。

経営計画を作成する前に、ランチェスター戦略的な地政学、競業調査、客層、出店立地の科学的分析、商品特性。
ぶっちゃけ、競合他社約20社の決算書もすべて信用調査会社から入手して、それこそライバル会社の財務内容の確認をします。

面白いですよ、ライバル会社が年間いくら広告予算を使っているのかなんてこと、全部わかっちゃう(笑)

それらを自社なりに分析して、さらに大切なことは「ビジネスモデルの閃き」。
これは、どこかの成功事例をマネするのもよいけれど、やはり守破離でオリジナルに変えていく必要が、絶対に成長戦略には欠かせません。

マネは所詮、マネでしかない。

せっかく自分で商売やっているのなら、自分の頭を使ってマネしたものでも、自分のオリジナルに変えて、他にはないNo.1の商品やサービスに昇華していきましょう。

そのロードマップが、経営計画です。

先日、New Yorkで会ったアメリカ人の社長が言っていました。

「ビジネスって、どうやって世の中をワッと言わせるかが一番面白い。
過去の数字なんてアメリカ人はまったく気にしてない(笑)。
そんなことより新しいビジネスモデルをどうやって作れるのか話している方が楽しいだろ。」

同じ中小企業でも、次々と新しいサービスや商品を生み出していくアメリカという国と、日本の現状の違いはその辺にあるんだろうな。

京都にて思う。

PAGE TOP